大津市歴史博物館

展示・イベント

平成30年度-れきはく講座-

企画展「膳所城と藩政」関連講座(第712回れきはく講座)
膳所城と粟津晴嵐の景観について
講師:横谷 賢一郎(本館学芸員)

平成30年4月7日(土) 14時〜15時30分

 近江八景のひとつに粟津晴嵐があります。この情景は、膳所城と旧東海道の粟津の松並木がセットで描かれることが画題の定番表現となっています。そして、この粟津晴嵐が、近江八景の中では最も往時の姿が失われている情景なのです。本講座では、様々な絵画作品や写真資料から、往時の膳所城の姿や粟津の松並木の規模などを推定して解説します。〔定員100名〕


企画展「膳所城と藩政」関連講座(古文書講座)(第713回れきはく講座)
膳所縁心寺文書を読む−藩主の菩提所とその史料−
講師:高橋 大樹(本館学芸員)

平成30年4月14日(土) 14時〜15時30分

 慶長7年(1602)、本多家の菩提所として三河国西尾に建立された浄土宗縁心寺は、元和3年(1617)の近江膳所への移封に伴って現在の地に移転し、その歴史が積み重ねられてきました。本講座では縁心寺に残る古文書・古記録を読みながら、寺史や膳所藩主との関係などについて考えます。〔定員100名〕


第714回れきはく講座
【現地見学会】なぎさ公園を探検!
講師:木津 勝(本館学芸員)

平成30年4月21日(土) 13時30分〜15時30分

 琵琶湖を一望にのぞむ「大津なぎさ公園」を、浜大津から石場まで、ゆっくりと2時間かけて歩きます。このあたりの湖岸は、明治・大正・昭和・平成と埋め立てられ、現在に至ります。当日は、古い地図や写真を手がかりに、昔の湖岸が分かる場所にも立ち寄りながら、湖岸沿いに今も残る埋め立ての痕跡を探します。〔定員50名〕


ミニ企画展「大津絵 れきはく蔵出し展」関連講座(第715回れきはく講座)
大津絵における画題の大衆化(キャラクター化)
講師:横谷 賢一郎(本館学芸員)

平成30年5月12日(土) 14時〜15時30分

 大津絵の画題は110種類以上に上りますが、オリジナルの画題もあれば、通常の職業絵師が手掛ける一般的な画題も扱っています。いずれの画題も、大津絵独自のアレンジや造形の変容が加わってユニークなキャラクター化を達成しています。本講座では、その画題の大津絵化について解説します。〔定員100名〕


ミニ企画展「大津絵 れきはく蔵出し展」関連講座(第716回れきはく講座)
大津絵と又平伝説について
講師:鈴木 堅弘 氏(京都精華大学特別研究員)

平成30年5月19日(土) 14時〜15時30分

 街道の名産・大津絵を全国区のメジャーな存在に押し上げた要因のひとつに、近松門左衛門による浄瑠璃の戯曲『傾城反魂香』が上演されヒットしたことが挙げられます。反魂香では、浮世又平という架空の大津絵師が主人公として登場し、かつ大津絵の精が紙から抜け出て実体化し、敵方と丁々発止して大活躍する場面が描かれます。本講座では、その又平をめぐる解説と共に新説を披露します。〔定員100名〕


ミニ企画展「大石の山の神」関連講座(第717回れきはく講座)
大石周辺の山の神
講師:和田 光生(本館副館長)

平成30年6月30日(土) 14時〜15時30分

 山の神は、かつての暮らしと深く結びついて信仰されてきた神様です。電気やガスが普及する以前、燃料は山野に依存していましたし、多くの恵みを山からいただいて暮らしていました。ただ、山は里とちがって危険な場所でもありました。人々は、こうした身近な山に神が坐(い)ますと考え、山の恵みと安全を祈るため山の神を祀ってきたのです。その伝統は、今も各地に残されています。
市内南部の大石地区も、かつて山稼ぎが盛んな地域でした。そして今も正月3日に山の神祭りが各地で行われています。この講座では、山の神祭りの現在と、地域に残る資料からその変遷を紹介したいと思っています。〔定員100名〕


ミニ企画展「大石の山の神」関連講座(第718回れきはく講座)
近江の山の神について【中止】
講師:和田 光生(本館副館長)

平成30年7月7日(土) 14時〜15時30分 ※台風のため中止しました

 山の神といっても、その祀り方は様々です。市内に残る山の神を見ても、隣接する地域であっても、行事内容が少しづつ違っています。民俗学で近江の山の神というと、男女の人形を祭場に供えて五穀豊穣を祈る行事が知られていますが、実際は様々な行事内容が見られるのです。祀る時期も、多くは正月ですが、夏場に山の神を祀る地域もあります。ここでは、県内のいくつかの山の神祭りを紹介しながら、その諸相を考えてみます。〔定員100名〕


第719回れきはく講座
龍骨図と龍骨について(対談)
講師:伊藤 謙 氏(大阪大学総合学術博物館特任講師)・横谷 賢一郎(本館学芸員)

平成30年7月21日(土) 14時〜15時30分

 文化元年(1804)、膳所藩領の伊香立南庄村で村民が未知の化石を発掘しました。その化石は話題となり、藩が当時の大学者を招聘して「龍骨」だということになりました(正体は古代象の一種、トウヨウ象)。たしかに、龍骨図を見ると、化石はいかにも龍のように組み合わされています。先日、その化石の調査が国立科学博物館で行われ、現存化石による組合せの検討がなされました。その所見を、龍骨図と比較しながら解説します。〔定員100名〕


ミニ企画展「紀楳亭 ほのぼの文人画ワールド」関連講座(第720回れきはく講座)
【現地見学会】紀楳亭めぐり 史跡と作品
講師:横谷 賢一郎(本館学芸員)

平成30年8月16日(木) 13時30分〜16時30分

 与謝蕪村の弟子、紀楳亭は、天明8年(1788)の京都大火に焼け出されて現在の長等2丁目の借家に疎開し、大津の人々と親しく交流を結び、文人画と俳諧にいそしみました。今回は楳亭ゆかりの長等・小関の地域のなかで、楳亭の史跡を巡りながら、ご当地に伝来した作品の数々を観賞します。〔定員50名〕
〔コース予定〕紀楳亭寓居跡光徳寺→徳圓寺虫干し観覧→紀楳亭墓碑→清水屋呉服店→歴史博物館(解散)
※解散後、希望される方にミニ企画展をご案内します(要観覧券)


ミニ企画展「百間堤」関連講座(第721回れきはく講座)
江戸時代の百間堤の普請と地域社会
講師:高橋 大樹(本館学芸員)

平成30年9月8日(土) 14時〜15時30分

 嘉永5年(1852)、近江国滋賀郡大物(だいもつ)村(現、大津市大物)の四つ子川に沿って築造された通称「百間堤(ひゃっけんづつみ)」は、度重なる水災害から集落域を守るため最終的な完成をみたといわれています。しかし、大物区に残る古文書や古記録を読み解いていくと、江戸時代前期から幾度となく普請(工事)が繰り返されてきたこともわかります。今回の講座では、百間堤をめぐる大物村やその周辺地域との関わり、また領主(幕府・大名)の対応などについてお話します。〔定員100名〕


ミニ企画展「百間堤」関連講座(第722回れきはく講座)
百間堤関連の古文書を読む
講師:高橋 大樹(本館学芸員)

平成30年9月15日(土) 14時〜15時30分

 ミニ企画展「百間堤」に関連した特別古文書講座です。大物地区の大規模砂防設備「百間堤」に関する江戸時代の古文書を読み解きます。1字1字の細かい解読はしませんが、堤普請や水災害、さらに江戸時代の村の古文書を読み解く上でのポイントについてお話しします。 〔定員100名〕


ミニ企画展「百間堤」関連講座(第723回れきはく講座)
滋賀は近代砂防の発祥の地、滋賀の近代砂防の歩みとその特性
講師:上野 邦雄 氏(前滋賀県砂防課長)

平成30年9月22日(土) 14時〜15時30分

 滋賀は近代砂防の発祥の地です。特に瀬田川、大戸川が流れる大津市域は、近代砂防の発祥の地の舞台と言っても過言ではありません。近代砂防の歴史と滋賀県における砂防の歩みを追いながら、「滋賀の特性、大津市域の特性」を考えます。河川や砂防、治山等の多面的な視点から、また、近世(広義の近代)の歩みから、テーマにアプローチします。〔定員100名〕


ミニ企画展「百間堤」関連講座(第724回れきはく講座)
百間堤をめぐる気候変動と自然災害
講師:鎌谷 かおる 氏(立命館大学准教授)、佐野 雅規 氏(早稲田大学講師)

平成30年9月29日(土) 14時〜15時30分

 江戸時代の湖西地域では、降水量の増加による琵琶湖水位上昇や河川の洪水に多くの人々が悩まされていました。本講座では、古気候学と歴史学の異分野融合研究によって明らかになった江戸時代の湖岸の村々の生活と自然との関わりについてお話しします。講師2人による45分ずつの連続講演です。
[前半]水害の乗り越え方と向き合い方 ‐大物地域を事例に‐(鎌谷氏)
[後半]気候変動と近江のひとびと ‐水害と水稲生産力‐(佐野氏) 〔定員100名〕


企画展「60年前の大津」関連講座(第725回れきはく講座)
市制60周年記念誌『還暦』をよむ
講師:木津 勝(本館学芸員)

平成30年10月13日(土) 14時〜15時30分

 昭和33年(1958)、市制60周年の節目を迎えた大津市は、記念誌『還暦』を発行しました。この本には、これまでの大津市のあゆみや、高度経済成長期を迎えて変貌する最新の市内の様子が、豊富な写真や市民の言葉で綴られています。講座では記念誌に紹介された写真や文章を中心に、昭和30年代の大津のまちや暮らしの様子を振り返ります。 〔定員100名〕


企画展「神仏のかたち ―湖都大津の仏像と神像―」関連講座(第726回れきはく講座)
神像入門 ―日本の神々とその造形―
講師:山下 立 氏(滋賀県立安土城考古博物館学芸員)

平成30年10月20日(土) 14時〜15時30分

 これまで神秘のヴェールに閉ざされていた日本の神像彫刻。その一端が近年、次第に明らかになってきました。この講座では、神像彫刻の成立から展開をたどりながら、僧形神、男神、女神、童形神、武装神、神使形神、習合神、人物神など、多彩な神々を取り上げ、それぞれの持つ意味を考えます。あわせて、神像と仏像との共通性、異質性をはじめ、簡素化、柱状化、頬にあざをもつ像など、神の造形をめぐる諸問題に切り込んでゆきます。 〔定員100名〕


 
企画展「神仏のかたち ―湖都大津の仏像と神像―」関連講座(第727回れきはく講座)
釈迦と弥勒の美術 ―ガンダーラから日本へ―
講師:外山 潔 氏(泉屋博古館上席研究員)

平成30年10月27日(土) 14時〜15時30分

 仏教の開祖である釈迦と、その後を継いで仏となる弥勒に対する信仰は古くから盛んでした。その結果、釈迦に関する美術としては、礼拝以外にも遺骨を納めた仏舎利容器なども作られました。また弥勒関連でも、菩薩形で思惟する姿や将来仏として降臨する姿の像など、多種多様な造形が生み出されていきました。ここでは、仏像発祥の地ガンダーラから中国、朝鮮に至る釈迦と弥勒の形を日本の作品と比較し、違いや共通点をご紹介します。 〔定員100名〕


企画展「60年前の大津」関連講座(第728回れきはく講座)
建物でたどる大津市の120年
講師:木津 勝(本館学芸員)

平成30年10月28日(日) 14時〜15時30分

 明治31年(1898)の市制施行から120年の節目を迎えた大津市の姿を振り返る素材として、大津にかつてあった建物を取り上げます。市役所などの公共建築をはじめ、市内には銀行・旅館・商店など、さまざまな建物がありました。講座では、これらの写真を見ながら、120年の移り変わりの一端を振り返ります。 〔定員100名〕


   
企画展「神仏のかたち ‐湖都大津の仏像と神像‐」関連講座(第729回れきはく講座)
仏像・仏画のサインとデザイン
講師:米屋 優 氏(あべのハルカス美術館副館長)

平成30年11月3日(土) 14時〜15時30分

 サインとは何事かを表す印、記号、仕草などのこと、デザインとは伝えたい内容をよりよく伝えるための工夫のこと。仏像・仏画は仏教の教えを伝え広めるために作られた彫刻・絵画です。そこには主題に基づくサインが記され、よりよく教えを伝えるためのデザインがあります。サインやデザインを手掛かりにすれば、ちょっととっつき難そうな仏像・仏画も親しみ深いものに感じられるでしょう。今回の話はその入門編です。 〔定員100名〕


   
企画展「神仏のかたち ‐湖都大津の仏像と神像‐」関連講座(第730回れきはく講座)
大仏師湛慶の仏像とその周辺
講師:植村 拓哉 氏(元興寺文化財研究所研究員)

平成30年11月10日(土) 14時〜15時30分

 湛慶は運慶の長子として生まれ、次代の慶派工房を担った仏師です。比較的早くから運慶の小仏師として、あるいはともに大仏師として造仏に参加し、運慶を眼前にしてその作風や発展していく構造技法を学び、彫技を磨いたと考えられます。代表作たる蓮華王院(三十三間堂)本尊千手観音坐像などのモニュメンタルな遺例の存在もあり、鎌倉時代の彫刻史を考えるうえで見逃せない人物といえるでしょう。講座では、湛慶とその周辺の作例を眺めながら、仏像や仏師の理解を深めていきたいと思います。 〔定員100名〕


   
企画展「神仏のかたち ‐湖都大津の仏像と神像‐」関連講座(第731回れきはく講座)
仏師の実像―すがた・いのり・くらしー
講師:杉ア 貴英 氏(帝塚山大学准教授)

平成30年11月17日(土) 14時〜15時30分

 平安から鎌倉時代にかけて、たくさんの木彫仏が生み出されました。それらを作った仏師は、どんな姿をしていたのでしょう? 彼ら自身の信仰を、うかがうことは出来るのでしょうか? はたらく様子や仕事の報酬、家族や住まいはどうでしょう? この講座では、仏像の銘文や納入品、文献史料や絵画・説話なども手がかりに、仏師の姿・信仰・生活を探ります。 〔定員100名〕


   
ミニ企画展「和邇・真野地域の古墳」関連講座(第732回れきはく講座)
【現地見学会】 曼陀羅山周辺の古墳めぐり
講師:福庭 万里子(本館学芸員)

平成30年12月1日(土) 13時〜16時30分

 和邇・真野地域に多数造られた古墳の中で、曼陀羅山周辺に残る古墳を歩いて見学します。コースは、JR小野駅→唐臼山古墳(小野妹子神社境内)→和邇大塚山古墳(曼陀羅山の山頂)→曼陀羅山古墳群→JR小野駅解散を予定しています。行程は全て徒歩で、曼陀羅山に登り、尾根筋に沿っての山歩きを含みます。 〔定員50人〕


歴史文化基本構想策定事業 関連講座(第733回れきはく講座)
これからの時代にふさわしい文化財の保存と活用の在り方について
講師:岡本 公秀 氏 (文化庁文化財調査官)

平成31年2月9日(土) 14時〜15時30分

 現在、文化財保護行政は新たな局面を迎えています。地域社会の規模が縮小する中、歴史や文化が伝える地域の魅力やストーリーを再発見し、これにまつわる様々なものを文化財として捉え、保存・活用し、地域振興に役立てたり、観光に利用する取り組みが各地で進んでいます。
 本講座では、これからの時代にふさわしい文化財の保存と活用の在り方を、歴史文化基本構想の概略に、全国各地の先進的な取り組みの紹介を交え、ご説明します。〔定員100名(当日先着順)〕 【参加料】無料


歴史文化基本構想策定事業関連講座のチラシはこちら 

歴史文化基本構想策定事業 関連講座(第734回れきはく講座)
琵琶湖と暮らしをめぐる歴史文化 水城と町の繁栄(坂本城・大津城・膳所城)
講師:杉江 進(大津市教育委員会文化財保護課主査)

平成31年2月23日(土) 14時〜15時30分

 歴史文化基本構想は、地域の歴史文化の理解を深め、保存・活用を進めるために、関連する文化遺産をストーリーとしてまとめます。本講座では、その一つとして、琵琶湖岸に築かれた3つの城をとりあげます。いずれの城も琵琶湖を取り込んでいますが、坂本城と大津城が琵琶湖の水運と深く結びついていたのに対し、膳所城は軍事上の要害として琵琶湖を利用しました。このような城の性格を、築城の時代背景を手がかりに検討します。〔定員100名(当日先着順)〕 【参加料】無料


歴史文化基本構想策定事業関連講座のチラシはこちら 

古文書リレー講座(第735回れきはく講座)
江戸時代の日記を読むー大津の古記録入門―
講師:高橋 大樹(本館学芸員)

平成31年2月24日(日) 14時〜15時30分

 江戸時代の日記は単なる備忘録か、それとも秘匿されるべきものだったのか、はたまた後代に参照されるべき重要記録だったのか。本講座では、古文書と対比される古記録の中の「日記」について、書くこと、読むこと、保管することなど、その時代相について考えます。取り上げる日記史料は、江戸時代の大津に残る農村や都市、また寺社の日記類です。一文字一文字の解読はしませんが、古文書・古記録の読み方・考え方についてお話します。〔定員100名〕


古文書リレー講座(第736回れきはく講座)
「由緒」をつたえる−江戸時代の志那浦と琵琶湖の舟運−
講師:冨田 由布子 氏(草津市立草津宿街道交流館学芸員)

平成31年3月3日(日) 14時〜15時30分

 江戸時代、舟は、速く、かつ大量にものを運べる重要な輸送手段でした。琵琶湖水運の担い手といえば「大津百艘船」が有名ですが、琵琶湖で船を操っていたのは彼らだけではありません。本講座では、対岸の坂本との間の渡船が中世から盛んであり、江戸時代にも多くの船を抱えていた「志那浦」(現在の草津市)に残されてきた古文書を、地域の歴史を物語る「由緒」をキーワードにして読み解きます。〔定員100名〕


叡山学院共同開催 特別公演(第737回れきはく講座)
第8回 叡山学院 聲明公演
演者:叡山学院修学生 約30名

平成31年3月7日(木) 14時〜16時

 「聲明(声明 しょうみょう)」とは、我が国の伝統音楽の一つで、経典などに節をつけた仏教音楽のことです。仏教伝来とともに伝わり、最澄や円仁がもたらした「天台聲明」の美しい音色は、幻想的な宗教音楽として世界的に有名です。本公演は、天台宗の僧侶を養成する「叡山学院」の聲明修学成果の発表公演です。約30名の若い僧侶の迫力ある歌声による、平安時代から続く伝統的な宗教音楽をお楽しみ下さい。〔定員50名〕


古文書リレー講座(第738回れきはく講座)
捨子・養子からみる江戸時代の子どもたち
講師:新木 慧一(本館学芸補助員・佛教大学大学院博士後期課程)

平成31年3月10日(日) 14時〜15時30分

 教科書や時代ドラマだけでなく、歴史展示や講座に登場するお話の主役は、大人たちです。では歴史のなかの「子ども」たちは、どのように成長し、大人になり社会に参加していったのでしょうか。この講座では、江戸時代の大津町の捨子や養子に関する史料(古文書・古記録)を取り上げながら、保護・養育に関わった大人、家族などについて考えていきます。〔定員100名〕


企画展「フェノロサの愛した寺 法明院 ―三井寺北院の名刹―」関連講座(第739回れきはく講座)
【現地見学会】フェノロサ・ビゲローのお墓参り
講師:鯨井 清隆(本館学芸員)

平成31年3月16日(土) 13時〜16時

 園城寺(三井寺)の北端、長等山の中腹に位置する法明院は、江戸時代、義瑞性慶(ぎずいしょうけい)によって開かれました。その後、明治時代に入ると、当時来日していたアーネスト・F・フェノロサやウィリアム・S・ビゲローは、当時の住職と深い親交を結んでおり、両氏の没後、彼らの希望により、法明院へ埋葬されました。
 今回の現地見学会では、まず本館で開催中の企画展「フェノロサの愛した寺 法明院 ―三井寺北院の名刹―」について展示解説を行います。それから、実際に法明院墓所を訪れ、両氏と、法明院歴代住職のお墓参りをしたいと思います。〔定員50人〕


古文書リレー講座(第740回れきはく講座)
歴史資料としての公文書
講師:大月 英雄 氏(滋賀県県政史料室職員)

平成31年3月17日(日) 14時〜15時30分

 明治維新以後の歴史を調べる場合、府県や市町村が所蔵する「公文書」を読み解くことが欠かせません。幸い滋賀県は、自然災害や戦災の影響を免れ、多領域にわたる公文書が系統的に残されています。今回の講座では、県政史料室で閲覧できる明治〜大正期の公文書(歴史的文書)を取り上げ、その特徴と読み解き方をご紹介したいと思います。〔定員100名〕


企画展「フェノロサの愛した寺 法明院 ―三井寺北院の名刹―」関連講座(第741回れきはく講座)
「法明院障壁画」を考える
講師:五十嵐 公一 氏(大阪芸術大学教授)

平成31年3月23日(土) 14時〜15時30分

 法明院障壁画が広く知られるようになったのは、京都国立博物館館長も務めた土居次義氏が昭和17年に発表した論文「法明院の障壁画」(『美術・工芸』9)からです。そこで法明院に円山応挙、池大雅、鶴沢探索らの興味深い襖絵があることが紹介され、絵師たちの研究が進みました。さらに今回、この展覧会に先立って行われた調査から新たな資料も見つかりました。それらの成果から何が明らかになったのかを考えたいと思います。〔定員100名〕


企画展「フェノロサの愛した寺 法明院 ―三井寺北院の名刹―」関連講座(第742回れきはく講座)
フェノロサ ―社会進化論と美術と仏教
講師:佐藤 道信 氏(東京藝術大学教授)

平成31年3月30日(土) 14時〜15時30分

 19世紀後半の世界を席捲した進化論には、大きくダーウィンの生物進化論とスペンサーの社会進化論の二つがありました。スペンサーの熱烈な信奉者だったフェノロサの日本美術と仏教への関心と接点には、その復興を社会進化論の視点から捉えようとする姿勢がありました。直移植による欧化政策・文明開化とは異なる形での、近代化と日本文化の復興を考えたフェノロサの構想を追ってみたいと思います。〔定員100名〕
(本講座は、フェノロサ学会との共同開催として開講します。)