大津市歴史博物館

博物館の活動紹介

第46回 博物館の新収蔵品について(平成27年度上期)

 博物館では、散逸しがちな地域の史料や文化財を積極的に収集・保存しています。今回は、平成27年度上期の新収蔵品を紹介します。



四種大津絵図 龍賀筆 1面 (購入)

  

 龍賀(1745−1812)は、大津石川町、長寿寺の住職で与謝蕪村の門人。同門の紀楳亭が、天明8年(1788)の京都大火で焼け出された折には大津への疎開に尽力した。本作品は、大津絵のキャラクターが、さらにコミカルさを加えて描かれている。   

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四種大津絵図 龍賀筆



江辰板 東海道五十三次之内 大津 歌川広重画 1枚 (購入)

江辰板 東海道五十三次之内 草津 歌川広重画 1枚 (購入)

  

 歌川広重(1797−1858)の東海道五十三次シリーズの内、「行書東海道」と通称される揃物。本揃物は当初、江崎屋辰蔵と江崎屋吉兵衛の両者で版行したので、初摺には「江崎屋」「江辰」「江吉」いずれかの版元印がある(後摺にはない)。本資料には「江辰」印がある。   

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江辰板 東海道五十三次之内 大津 歌川広重画

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江辰板 東海道五十三次之内 草津 歌川広重画



東海道線大津京都間線路変更工事竣工記念写真帳 1冊 (購入)

  

 大正10年(1921)、東海道線の輸送力増強のため、東海道線の大津−京都間の線路が変更された。この写真帳は、工事を請け負った稲葉合資会社によって制作された。大津駅から京都駅まで、駅施設や隧道など工事中の状況が記録され、当時の様子を克明に知ることができる。   

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東海道線大津京都間線路変更工事竣工記念写真帳より



大津絵人形 1組 (購入)

  

 十種大津絵をモチーフにした土人形。大津絵は、明治末から大正・昭和にかけて、地元の人々によってふたたび振興や普及が図られるようになる。当時、大津絵をモチーフにした郷土玩具は、様々な材質や形のものが制作され、販売されていたが、本資料もそのなかのひとつ。

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大津絵人形(翁鶴堂製)

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大津絵人形(翁鶴堂製)



大津祭・浜大津花火大会ポスター 8枚 (購入)

  

 昭和30年代に制作された、大津祭と浜大津花火大会の宣伝ポスター。8枚はいずれも昭和30年代に制作されたもので、大津祭は制作年が判明する。

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大津祭ポスター 昭和32年

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浜大津花火大会ポスター 昭和30年頃



山陰雪月図 横井金谷筆  1幅 (受贈)

  

 横井金谷(1761−1832)は、草津出身の浄土宗の画僧。各地を遊歴し、奔放な人柄と愉快な話術で、滞在先で人気を博し、文人画作品を残した。晩年は坂本に庵を結んで没している。本図は、金谷が得意とした、大胆な運筆による雪景山水である。

蟷螂図短冊 村瀬雙石筆  1幅 (受贈)

  

 村瀬雙石(1822−77)は四条派の画家。松村景文の門人。平明な花鳥画と山水画を得意とした。本作は、短冊であったものを軸装に仕立てた作品。鋭く精緻な線描でカマキリがクローズアップして描かれている。

柳塘山水図 山田苔翠筆  1幅 (受贈)

  

 河畔に多くの枝垂れ柳がなびき、漁夫がたたずむ文人好みの中国風山水情景を描いている。漁夫の姿や背景の遠山の山並み、緑青の顔料をふんだんに使った枝垂れ柳の表現に、大正時代から昭和初期の傾向が窺われる。

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山陰雪月図 横井金谷筆

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蟷螂図短冊 村瀬雙石筆

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柳塘山水図 山田苔翠筆



春海耕作図 柴田晩葉筆  1幅 (受贈)

  

 柴田晩葉(1885−1944)は、山元春挙の門人。大津市新町の出身。文部省美術展覧会や帝国美術院展覧会で入賞を重ね、大津の気鋭の日本画家として地元で期待を集めた。本作は、晩葉が好んだ明るく牧歌的な農村を描いている。

居初家文書  一括 (受贈)

  

 大津市本堅田の居初家に伝来した室町・戦国時代から昭和にいたる古文書群。居初家は、中世以来の堅田諸侍の系譜を引き、江戸時代には「船道郷士」として琵琶湖の湖上交通に関わる特権を保持した。

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春海耕作図 柴田晩葉筆  1幅

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豊臣秀吉朱印状 天正19年5月付「居初家文書」より



長谷川家文書  87件 (受贈)

  

 旧中堀町(中央一丁目)で、かつて下駄商を営まれていた商家の文書群。同町が大津祭の際に曳き出す孔明祈水山に関わる『記録帳』などの祭礼に関する資料や、中堀町の町政運営を示す資料が多数含まれており、明治以降の大津百町内の歴史を知ることができる。

川合家宮大工関係資料  一括 (受贈)

  

 三井寺門前にあった宮大工の家に伝来した資料群。諸寺院や大津町・膳所の町家の指図・設計図類のほか、棟上げ等の儀式に関わる諸道具や祝詞などが含まれている。

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長谷川家文書

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川合家宮大工関係資料



滋賀県管内滋賀郡地理小誌  1冊 (受贈)

  

 明治13年(1880)に二書堂(杉原鉄次郎、山岡幸太郎)により出版された地誌。川添清知著、那須理太郎校正。名勝史跡とともに逢坂山隧道や鎮台営所(歩兵第九連隊)、学校や郵便局も網羅する。

上京町昭和御大典祝賀行列集合写真  1点 (受贈)

  

 昭和3年(1928)の御大典の際に、上京町が行なった祝賀行列の集合写真。仮装行列やだんじりなど、当時の奉祝行事の様子とともに、撮影場所である札の辻交差点の風景がわかる。

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滋賀県管内滋賀郡地理小誌

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上京町昭和御大典祝賀行列集合写真



強力消火弾  3点 (受贈)

  

 ガラス容器に密封された手投げ式消火器。日本では昭和初期に国産品が作られ、戦時中には空襲などによる火災消火の用途として増産されたという。本資料は箱書などから昭和戦前のものと思われる。

千人針  1点 (受贈)

  

 千人針は、多くの女性が布に糸を縫い付けて作ったお守り。今回ご寄贈いただいた「千人針」は昭和19年に制作され、布面には「必ず一針お願ひします」の貼り紙と武運長久を祈る墨書がなされている。

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強力消火弾

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千人針



中西家戦時資料  14点 (受贈)

  

 寄贈者の父の出征関係資料。応召・入隊時の餞別帳や勲章・勲記、写真などからなる。また戦時中の大門町の街並みが映る写真なども含まれている。

羽田家戦時資料  26件 (受贈)

  

 寄贈者が実家の整理に際し発見した父の遺品など。なかでも、昭和20年の終戦から翌年までの生活ぶりを記した「想ひ出の記」には、特攻隊から生き残り、占領下の大津にて過ごした人物の思いや当時の市内の様子が詳細に記されている。

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中西家戦時資料

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羽田家戦時資料



佐々木商店吊看板  1点 (受贈)

  

 市内で荒物を扱っていた佐々木商店の軒下に吊り下げられていた看板。大きなしゃもじ形の看板には店名とともに、「諸荒物」「よろづあらもの」の文字が記され、看板の形と文字で業種を表す。また、柄に「宮島」の文字がある。

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佐々木商店吊看板