明治五年(一八七二)に発布された「学制」をうけて、明治初期、大津市内各地に次々と小学校が誕生しました。本年はそれから数えて百三十年目にあたります。この間小学校は、地域の子どもたちを育む教育機関として大きな役割を果たし、現在もその歩みを続けています。
本展では、地域と学校が歩んできた足跡を伝える資料や子どもたちの様子を記録した写真等を、各小学校に残された資料によって紹介します。また、小学校教育の変遷を各時代の教科書等で紹介します。
このほか、地域の人々が子どもたちの勉強に役立つようにと小学校に寄贈された資料も多数残されており、学校によっては「郷土資料室」といった形で整理されています。その一部もあわせて紹介します。
■主催■ 大津市・大津市教育委員会・大津市歴史博物館・京都新聞社
■展示構成(予定)■
○小学校の誕生
明治初期の学校は、地域の人々の努力で設立されました。明治五年、今堅田村の致道学校、上坂本枝郷八木山の至明学校が作られたのをはじめ、次々と市内に小学校が誕生します。ここでは学校設立の背景や当時の学校の様子を語る資料を紹介します。
○尋常小学校と呼ばれたころ
各小学校は、明治二三年(一八九〇)の小学校令によって尋常小学校と呼ばれるようになり、就学率も高まってきます。明治後期には、運動会や修学旅行といった学校行事も活発になり、現在の小学校に近い姿になってきます。
○国民学校の時代
昭和一六年の国民学校令により小学校は、国民学校と呼ばれるようになります。第二次世界大戦下の切迫した状況を反映して、学校生活も軍事色に染まっていました。
○戦後の民主化教育
戦後、教育の民主化が進みます。戦中使われていた教科書のうち、軍国主義的と考えられた部分を墨で塗って抹消した「墨塗り教科書」が使われたのもこの時代です。昭和二二年一月には中央国民学校(中央小学校)が近畿新教育実験学校に指定され新制小学校のモデルスクールとなりました。新しい時代の小学校の姿を紹介します。
○学校の郷土資料室
市内のいくつかの学校には、地域から集められた資料を展示する「郷土資料室」が設けられています。かつての生活を伝える懐かしい道具や学区から発掘された考古遺物等が収蔵されており、その一部を紹介します。
■観覧料■ 一 般 400円(320円) 高・大生 300円(240円) ※( )内は、団体(15名以上)、前売、市内在住の六五歳以上の方・障害者の方の割引料金 小・中学生及び同伴者1名 無料 |