大津市歴史博物館

お知らせ

企画展
比叡山麓の仏像
平成15年10月4日〜11月16日

概要

  比叡山延暦寺は、伝教大師最澄による開山以来、日本仏教の中心地としての歴史を刻んできました。その歴史の中で山内ならびにその山麓には多くの寺院が建立され、多数の仏教美術が造られています。当館では、開館以来、比叡山上の諸堂をはじめ、坂本里坊や葛川などを中心とした比叡山麓の延暦寺関連寺院、及び、市内の天台系寺院の調査を実施してきました。
 本展では、これらの調査で見出された尊像の数々を、今まで知られてきた名品とともに展示し、比叡山の山上と山麓という、双方を見つめることで、日本仏教の中心地でありながらも、謎の多い比叡山の仏教文化を概観します。

1.坂本里坊伝来の仏像

 延暦寺僧が住する里坊には、現在多くの仏像が伝来しています。本来は山上や近隣の関係寺院から移してきたものと想像されますが、比叡山伝来の仏像であることにはかわりがありません。今回は約20件の仏像を展示し、もう一つの「延暦寺の仏像」を紹介します。
※里坊・延暦寺関係寺院名は、所蔵者の意向により「山内寺院」と標記している場合があります。

2.比叡山麓の諸寺院に伝来した仏像

 比叡山麓には、「山」を取り巻く形で延暦寺に関係の深い天台寺院が多数建立されました。現在も、西教寺や聖衆来迎寺をはじめ、坂本、下阪本、仰木、大原、八瀬等の地区には多くの文化財が現存し、優れた仏教美術を蔵しています。これらの仏像は、失われてしまった延暦寺の原像を探る上で重要です。

3.比叡山上伝来の仏像 ―三塔十六谷二別所―

比叡山延暦寺には、諸堂の仏像安置状況を記す史料が多種伝来していますが、現存の仏像で、それら記録上に残る諸仏に比定しうる仏像は、今のところ確認されていません。しかし、それでもなお、諸堂には夥しい数の仏像が、現在も安置され秀麗な姿を伝えています。ここでは既知の名品と今回の調査で新たに確認した諸像を展示します。

その他の展示予定資料(◎は重要文化財)

◎木造不動明王坐像 大林院 平安時代
◎木造不動明王二童子立像 玉蓮院 鎌倉時代
◎木造聖観音坐像 満月寺(浮御堂)平安時代
◎木造聖観音立像 西教寺 平安時代
◎木造薬師如来坐像 専念寺 平安時代
◎木造千手観音 不動明王 毘沙門天立像  明王院 平安時代
◎木造十一面観音立像 八瀬文化財保存会ほか

  展示品一覧はこちら(別ウインドウが開きます)

休館日10月6日・14日・20日・27日、11月4日・10日

観覧料
  一般600円(480円)、高大生500円(400円)、小中生400円(320円)。
       ( )内は前売り券、一五名以上の団体、市内在住の六五歳以上の方・障害者の方
の割引料金(二割)

主 催
  大津市・大津市教育委員会・大津市歴史博物館・京都新聞社・文化庁