大津市歴史博物館

お知らせ

第36回ミニ企画展
近江の藩窯から −膳所焼と湖東焼−
平成15年11月26日(水)〜12月26日(日)

概要

膳所焼は、膳所藩の領内で作られていたやきものの総称で、その始まりは文献から江戸時代初めの慶長年間(1596-1615)頃と考えられています。始まりは民間の窯と考えられる膳所焼ですが、膳所焼の名が文献に登場する寛永年間(1624-44)以降、大名茶人や近隣の京都の茶人の好みを反映した茶器が主に作られるようになり、藩の御用窯的な性格が色濃くなります。一説に膳所焼は石川忠総(ただふさ)の藩主時代に大名茶人小堀遠州の指導のもとに創始されたとされ、遠州七窯のひとつに数えられています。
その後、膳所焼は一時衰亡しますが、江戸時代中期から末期にかけて膳所藩領内には梅林焼・雀ヶ谷焼・瀬田焼・門平焼などの窯が興されました。
一方、湖東焼は、江戸時代後期の殖産興業の機運の高まりのなか、文政12年(1829)に彦根藩の商人絹屋半兵衛らが伊万里や瀬戸の職人を招いて焼き始められました。第12代彦根藩主井伊直亮(なおあき)により、彦根藩に召し上げられてからは手厚い保護を受け、特に文化人であった次代藩主井伊直弼(なおすけ)の時代にかけて発展します。藩窯となってからは盛んに各地から名のある陶工や絵付師を招いたため、技法的に多岐にわたる製品が作られました。
 ミニ企画展では、重厚な趣きの茶器作品を中心に瀬田焼や梅林焼なども交えた膳所焼の多彩な側面と、それとは対照的ともいえる精緻で華やかな赤絵金襴手や錦手の磁器製品が有名な湖東焼とを、いずれも館蔵品のなかから紹介します。

膳所焼一重口水指 江戸時代 本館蔵


おもな展示作品

膳所焼 一重口水指 1口
膳所焼 弦付茶器 1口
膳所焼 耳付茶入 銘 童女 1口
梅林焼 交趾釉耳付香炉 1口
梅林焼 交趾釉茄子形徳利 1口
瀬田焼 釘彫茶碗 1口
瀬田焼 銹絵茶碗 1口
湖東焼 染付牡丹文水注 1口 ほか

企画展インフォメーション

常設展示のチケットでご観覧いただけます。

観覧料 一般210円(160円) 高大生150円(120円) 小中生100円(80円)
※( )内は団体・前売料金。市内在住の65歳以上の方・障害者の方は無料
会場 常設展示室1F ミニ企画展コーナー
期間中の休館日 12月1・8・15・22・24日