大津市歴史博物館

お知らせ

山ノ神遺跡出土鴟尾の特別展示について
〜 全国初の完全復元! 全て本物です。〜

概要

概 要

 大津市一里山三丁目字山ノ神にある山ノ神遺跡(やまのかみいせき)は7世紀中頃から後半にかけて須恵器を焼いていた窯跡で、大津宮と関わりが深いと考えられている遺跡です。
 過去の調査により、工房跡と4基の窯跡、失敗品を捨てた灰原等が見つかっています。
 この内、平成13年度から15年度にかけての調査で、4号窯から鴟尾(しび)が4個体出土しました。鴟尾とは寺院等の大棟の両端に取り付く飾りです。これらの鴟尾は焼成途中に窯の天井が崩壊したため埋まってしまい、取り出されること無く放置されたものです。4個体もの鴟尾が一度に出土したのは、全国的の見ても珍しいことです。


 

   これらの鴟尾は焼成途中であったので、劣化が著しく現状のままでは復元が困難なため、薬品による保存処理を行いました。今回その内の1基を復元しましたので特別展示します。

 

古代の鴟尾で完全な形のものは奈良県の唐招提寺のものが有名ですが、遺跡の発掘調査で出土した鴟尾で、完全にもとの形に復元できるものが4個体もあるのは、全国でも初めてです。高さ1m37p、長さ1m、鰭部幅60p。鰭部は粘土紐を貼り付けて飾っています。頂部には段が有り先端には小さな穴が開いた突起が付きます。これまでに全国で300近い数の鴟尾が出土していますが、その中でも珍しい特徴をもった鴟尾と言えます。 この鴟尾が何処の大棟を飾る予定だったのか謎ですが、鴟尾の造り方や、焼成方法等を研究する上において貴重な資料となるものです。
 今後、残る3基も復元する予定です。

特別展示期間

 第1回目

  平成17年4月8日(金)より平成17年4月17日(日)まで(4月11日休館)

 第2回目

  平成17年4月29日(金)より平成17年5月8日(日)まで(5月2日、6日休館)

展示場所

  大津市歴史博物館エントランスホール(入場無料)