大津市歴史博物館

お知らせ

第49回企画展
戦争と市民〜湖国から平和へのメッセージ〜
平成21年 7月25日(土)〜8月30日(日)

概要

大津市と聞いて真っ先にイメージするのは、琵琶湖や比叡山、神社仏閣、近江八景などの観光や風光、信仰といった言葉ではないでしょうか?しかし、今から64年前、昭和20年まで、大津は軍隊の都市としての顔を持っていました。昭和期には、大津連隊区司令部・大津海軍航空隊・滋賀海軍航空隊・陸軍少年飛行兵学校・天虎(てんこ)飛行研究所・比叡山上の幻の特攻基地など、軍の関係施設が市内各地に設置されていました。本展では、大津海軍航空隊などで訓練に使われていた93式中間練習機の模型や、東洋レーヨン(現東レ)に落とされた原爆の模擬爆弾パンプキンの実物大模型、戦時中の家庭生活を表した居間の復元などによって、当時のありさまを分かりやすく紹介します。また、本展を開催するにあたり、広く県下を対象に、戦時資料を募集したところ、60名以上を超える方々から貴重な資料をご提供いただきました。それらの資料の一つひとつが、悲惨な戦争の実態を私たちに語りかけてくれます。本展があらためて、平和の大切さを確認するための、ささやかなメッセージとなれば幸いです。


展示の見どころ

企画展では、昭和20年7月24日、東洋レーヨンに落とされた原爆の模擬爆弾パンプキンの実物大模型(長さ約3メートル、直径約1.5メートル)を展示するほか、出征兵士の見送り風景や、戦時中の家庭の居間を再現します。出征風景では、国民服を着せた人形を中央にして、祝応召の提灯、幟(のぼり)、日の丸の寄せ書きなどを展示、また居間(6畳間)を再現では、、燈火管制や空襲被害を防ぐためのテープ貼りのガラス窓、また卓袱台(ちゃぶだい)を置いて、その上に当時の隣組回覧板や雑誌などを置き、居間に自由にあがって当時の生活の様子を実感していただきます。

 

20090701
20090702
20090703
鉄かぶと姿の子供
岩見さだ子家蔵
日の丸寄せ書き
木村四郎家蔵
瀬田国民学校絵日記
西川綾子家蔵

 
20090704
20090705
20090706
戦時教育紙芝居
本館蔵

子供茶碗
個人蔵

防毒面
個人蔵


展示解説図録

「戦争と市民〜湖国から平和へのメッセージ〜」図録
平成21年発行 A5判 128頁(うちカラー64ページ) 800円(カード会員:700円)

大津と戦争を示す出来事として、旧逢坂山トンネル内につくられた軍需工場の実態や、昭和20年7月の東洋レーヨン(現東レ)に落とされた原子爆弾の模擬爆弾パンプキンの投下に関わる新資料、比叡山上に建設された人間爆弾桜花(おうか)の特攻基地について、貴重な写真と生存者の証言も交えて取り上げています。また、大津にあった陸軍少年飛行兵学校の訓練風景や大津海軍航空隊から飛び立った特攻隊の写真など、いずれも秘蔵の写真ばかりです。それとともに、銃後(じゅうご、国内)の市民生活として、戦時中の子供たちが読んだ戦時色の濃い少年雑誌や絵日記、兵隊人形、兵隊や飛行機を描いた子供茶碗、金属供出のため、その代用品としてつくられた陶磁製のさまざまな代用品など、全262点の写真を収録しています。

関連の催し物

展覧会をより深くご理解いただくため、期間中さまざまな講座を開催いたします。

企画展「戦争と市民」関連企画
平和祈念講演会「戦争体験を後世に−恒久平和を願って−」
平成21年8月9日(日) 午前の部10:00〜11:00 午後の部14:00〜15:00

 戦争の悲惨さ、平和の尊さを後世に伝えるため、大津市内に在住の戦争体験者の方にご自身の体験談をお話いただきます。

語り部:青山悦夫さん、小山昭三さん(NPO法人 戦争体験を語り継ぐ会)

申し込み先:大津市総務課 TEL077−528−2710
【申し込み方法】電話・メールにて受け付けております。(8月7日[金]まで)
メールによるお申し込みは、お名前・年齢・ご住所・(市内・市外の別)、午前・午後の部どちらかをご記入のうえ、下記のメールアドレスにお送り下さい。
メールアドレス otsu1202@city.otsu.lg.jp ※定員になり次第、受付終了。 

企画展「戦争と市民」関連講座(第438回れきはく講座)
戦時下の大津−3つの秘話−
講師:樋爪 修(本館学芸員)

平成21年8月1日(土) 13:30〜15:00

 戦時下の大津には、あまり知られていない3つの秘話がありました。ひとつは旧逢坂山トンネル内に設置された三菱重工業の軍需工場のこと、2つめには、東洋レーヨン(現東レ)に落とされた爆弾が、実は原爆の模擬爆弾(パンプキン)であったこと。3つめには、比叡山上に特攻機桜花発射機(カタパルト)が作られていたこと。限られた資料により、これらの事実に迫ります。

【申込締切】7月22日(水) 【参加料】300円(カード会員150円) 

企画展「戦争と市民」関連講座(第439回れきはく講座)
大津海軍航空隊跡探訪【現地見学会】
講師:樋爪 修・青山 均(本館学芸員)

平成21年8月15日(土) 10:00〜11:30

 昭和17年に正式発足した大津海軍航空隊は、主に水上飛行機の訓練を行っていましたその跡は、陸軍自衛隊大津駐屯地内に今も残されています。今回は、当時の格納庫や、水上飛行機を湖面に下ろしていた滑走台、海軍航空隊や九連隊の資料を展示している資料館などを見学します。


【申込締切】7月29日(水) 【参加料】400円

企画展「戦争と市民」関連講座(第441回れきはく講座)
銃後の市民生活
講師:高杉 巴彦(立命館大学国際平和ミュージアム館長)

平成21年8月22日(土) 13:30〜15:00

 戦時中の京滋の市民生活を、国際平和ミュージアム所蔵資料を中心に紹介します。特に昭和14年(1939)の「贅沢は敵だ」のスローガンが出され、労働力不足を補うため、労働や奉仕に駆り出されました。教育の分野でも毎年のように制度が変わり、戦争賛美の影響を受けながらも前向きに生きていた若者の姿など、「銃後」の様々な実相を紹介します。

【申込締切】8月12日(水) 【参加料】300円(カード会員150円)




【お申込について】

    各講座は事前申込制です。 ハガキで歴史博物館までお申し込み下さい。
    申込の際には、希望する講座名・郵便番号・住所・氏名・電話番号を必ずお書きください。
    定員を超える場合は抽選し、締切後、当落の結果を郵送でお知らせします。
    諸般の事情により、各講座・教室は、中止あるいは内容が変更されることがあります。

     

    企画展インフォメーション

    タイトル 戦争と市民〜湖国から平和へのメッセージ〜
    会期 平成21年 7月25日(土)〜8月30日(日)
    主催 大津市・大津市教育委員会・大津市歴史博物館・京都新聞社
    後援 BBCびわ湖放送・NHK大津放送局・エフエム滋賀
    観覧料 一般500円(400円) 高大生400円(320円) 小中生無料
    ※( )内は、前売、15名様以上の団体。および、大津市内在住の
    65歳以上の方、大津市内在住の障害者の方の割引料金
    (証明するものをご提示ください)。
    会場 大津市歴史博物館 企画展示室A
    期間中の休館日 月曜日
    前売券 大津市内観光案内所(大津駅・石山駅・堅田駅前)、大津市民会館、ローソンチケット(Lコード59844)をはじめ、京阪津地区のおもなプレイガイドで7月1日よりで販売