大津市歴史博物館

お知らせ

第50回企画展 大津観光十社寺・湖信会結成50周年記念
湖都大津 社寺の名宝
平成21年 10月10日(土)〜11月23日(祝)

概要

 湖都大津は、歴史あるまちです。大津には古い神社仏閣が実に多く所在しています。古代には皇族や貴族が遊山に訪れ、近世は近江名所図会のような案内が作られるなど、大津の社寺を観光の眼から見ることは古くから行なわれていました。
 戦後、関西の六市(大阪市・大津市・京都市・神戸市・津市・奈良市)が合同で、各市の持つ観光資源の活用と観光客誘致と地域振興を目的として「近畿観光六市連絡会」が発足しました。これをうけて大津市観光課が中心となって、市内の有名観光社寺である延暦寺・園城寺・石山寺・近江神宮・日吉大社の賛同を得て、一九四七年の秋に「二社三寺」連絡協議会が設立されました。
 さらに一九五八年には、西教寺と岩間山正法寺が加わり、加盟社寺が7団体に増えたため体制を新たにし、「湖信会」が結成されました。神社と寺院が観光面で団結して協力することは当時としては珍しい試みでしたが、その活動により今日の大津観光の礎が築かれました。その後、大津市の合併などもあり、満月寺(浮御堂)や建部大社、そして立木山安養寺(立木観音)が加わり、今では加盟寺院が十社寺となりました。 その湖信会が創られて昨年で五十年を迎え、それを記念して企画されたのが本展です。その半世紀にわたる大津観光ならびに文化財保護の活動を振り返り、この観光十社寺を中心に大津市内に伝来する仏像や神像などの名宝を展示します。特に博物館などに寄託しているため普段観光として訪れてもなかなか拝観出来ない名宝の里帰り展示も計画中です。そして実際の展覧会においては、仏像や神像の世界を、尊名ごとに順番に分かりやすく、イラストを含めて説明的に展示する予定です。
 本展において各社寺の宝物に触れ、理解を深めたうえで、実際に社寺を訪れて現地の雰囲気を味わうという、霊場と博物館の双方を体感することで、大津の豊な歴史文化に触れていただけましたら幸いです。


おもな展示作品

重要文化財
木造聖観音坐像
浮御堂蔵
重要文化財
木造薬師如来坐像
西教寺蔵
10/12から展示
重要文化財
木造千手観音立像
延暦寺蔵

紙本彩色日吉山王宮曼荼羅図
日吉大社蔵
国宝
舎利容器(崇幅寺出土)
近江神宮蔵

重要文化財
木造十一面観音立像
園城寺(三井寺)蔵
重要文化財
木造兜跋毘沙門天立像
石山寺蔵
重要文化財
木造女神坐像
建部大社蔵

重要文化財
木造不動二童子像
岩間山正法寺(岩間寺)蔵
木造二天立像
立木山安養寺(立木観音)蔵

木造宝冠阿弥陀如来坐像
京都市・泉涌寺悲田院蔵
展示期間10/10〜10/25
木造丑神(十二神将のうち)
園城寺蔵
木造狛犬(獅子・狛犬のうち)
日吉大社

展示構成

一、尊像別でみる大津の仏像・神像

0.釈迦・舎利
 
T.如来
@釈迦如来、A薬師如来、B阿弥陀如来、C大日如来、D弥勒如来
U.菩薩
@聖観音、A十一面観音、B千手観音、C如意輪観音、D馬頭観音、E弥勒、F文殊、G普賢、H虚空蔵、I日光・月光、J地蔵、など
V.明王
@不動、不動三尊、A五大明王、B愛染明王、C黄金剛童子、など
W.天部
@梵天・帝釈天、A四天王、B毘沙門天・兜跋毘沙門天、C吉祥天、D大黒天、E鬼子母神、F十二神将、G婆藪仙、H蔵王権現、I金剛力士、J閻魔天・閻魔王、K弁財天、L尊星王、M二十八部衆 など
X.神像
@男神、A女神、B新羅明神、C護法善神、D山王権現、E赤山明神、F熊野権現、G獅子・狛犬、H随人 など

二、「湖信会」十社寺の案内
 ・各社寺の宝物 ・案内パネル、境内図と地図 ・湖信会関連資料 



期間中の展示替えについて

 展覧会期間中、作品の展示替えを行ないます。以下の展示作品一覧に、展示替え予定をしておりますのでご確認ください。なお、所蔵者のご都合等により、急遽展示替えを行なう場合がございますので、あわせてご了承ください。 

【展示作品一覧(展示替え情報含む)がダウンロードできます。※10月9日一部修正しました。】

  企画展「湖都大津 社寺の名宝」展示品一覧.pdf【PDFファイル、243KB】

展示解説図録

「湖都大津 社寺の名宝 大津の仏像・神像入門」
平成21年発行 A5 144頁 1200円(カード会員:1000円)

 

仏像と神像を大津の作例によって解説。展示図録ですが、仏像・神像の入門書としても活用していただける構成になっています。

関連の催し物

展覧会をより深くご理解いただくため、期間中さまざまな講座を開催いたします。

「湖都大津 社寺の名宝」展 記念講演会
記念講演会 日本の仏像の先祖調べ
講師:肥塚 隆(大阪大学名誉教授)

平成21年10月17日(土) 13:30〜15:00

仏教はインドで生まれ、最後に日本に伝えられましたから、仏教尊像も各地の影響をうけ変化しました。しかし日本の仏像にもインドの原型を残しているものもあり、それを調べることにより、その本来の意味や姿を明らかにすることができます。インドの尊像をスライドで紹介しつつ、日本の尊像がどのようにして成立したかを考えます。
【申込締切】10月7日(水) 【参加料】500円(カード会員250円) 

「湖都大津 社寺の名宝」展関連講座(第446回れきはく講座)
大津の寺社建築とその魅力
講師:冨島善幸(滋賀県立大学環境科学部准教授)

平成21年11月7日(土) 13:30〜15:00

 近江地方には多くの寺社があり、ゆたかな歴史遺産を伝えています。これらのうち彫刻や絵画など美術品は良く知られていますが、じつは、建築にも優れたものが数多くあります。本講座では、大津市に残る中世から近世の寺社建築をとりあげ、鑑賞のポイントをわかりやすく説明します。
【申込締切】10月28日(水) 【参加料】300円(カード会員150円) 

「湖都大津 社寺の名宝」展関連講座(第447回れきはく講座)
神と仏のはざま
講師:赤川 一博(奈良県立美術館学芸課長)

平成21年11月14日(土) 13:30〜15:00

 わが国古来の宗教と外来の仏教は、その初めての出会いからお互いに結びつき、わが国独特の宗教美術を造り上げました。日本の伝統である沢山の神と仏の美術について、その種類や発生、さまざまな姿について分かりやすく説明します。
【申込締切】11月4日(水) 【参加料】300円(カード会員150円) 

「湖都大津 社寺の名宝」展関連講座(第448回れきはく講座)
大津の社寺調査の思い出
講師:宮本 忠雄(元滋賀県教育委員会 文化財保護課 美術工芸担当)

平成21年11月21日(土) 13:30〜15:00

   建造物以外の有形文化財を美術工芸品といいます。絵画、彫刻、工芸品、書跡・典籍・古文書等、考古資料、歴史資料の6部門からなる動産文化財です。これらの保存と活用のために、県内各地で調査を行ってきた。未知の仏像などとの出会いや、膨大な量の大般若経で悪戦苦闘したことなど、社寺における調査事例を紹介します。
【申込締切】11月11日(水) 【参加料】300円(カード会員150円)

湖信会結成50周年記念行事
「湖都の祈り」〜三井流声明と薪能
会場:近江神宮 拝殿(博物館ではありません)

平成21年10月24日(土) 17:00〜19:00

【内容】
 17時00分から 講演会「大津の寺と社」 講師:木村至宏(成安造形大学前学長・同大学名誉教授)
 17時50分から 三井流声明
 18時20分から 薪能「近江八景」
         観世流五十六世 梅若六郎玄祥師による舞(天智天皇の能面を使用)
【「湖都の祈り」のお申込・お問い合わせ先】 湖信会事務局 (077)528-2772
【参加料】 3,000円(記念御朱印帳付き)
       ※外部リンク>「湖都の祈り」パンフレット(外部リンク・PDFファイルが開きます)

企画展インフォメーション

タイトル 湖都大津 社寺の名宝
会期 平成21年 10月10日(土)〜11月23日(祝)
主催 大津市・大津市教育委員会・大津市歴史博物館・社団法人びわ湖大津観光協会・湖信会(満月寺[浮御堂]・西教寺・比叡山延暦寺・日吉大社・近江神宮・園城寺[三井寺]・岩間山正法寺[岩間寺]・石山寺・建部大社・立木山安養寺[立木観音]、以上の十社寺)・京都新聞社
後援 BBCびわ湖放送・NHK大津放送局
観覧料 一般800円(640円) 高大生400円(320円) 小中生200円(160円)
※( )内は、前売、15名様以上の団体。および、大津市内在住の
65歳以上の方、大津市内在住の障害者の方の割引料金
(証明するものをご提示ください)。
会場 大津市歴史博物館 企画展示室A
期間中の休館日 10月13・19・26日、11月2・4・9・16日
前売券 大津市内観光案内所(大津駅・石山駅・堅田駅前)、大津市民会館、ローソンチケット(Lコード51974)をはじめ、京阪津地区のおもなプレイガイドで9月15日より販売