大津市歴史博物館

お知らせ

第62回企画展
百人一首かるたの世界      
平成25年 10月5日(土)〜11月17日(日)

【現存最古の百人一首かるた】 道勝法親王筆百人一首歌かるた 滴翠美術館蔵

概要

 近江神宮では、祭神の天智天皇が小倉百人一首の巻頭であることにちなみ、競技かるた日本一を競う新年の「かるた名人位・クイーン位決定戦」をはじめ、多くの全国大会が開催されています。
 まさに、大津は競技かるたの聖地です。
 百人一首かるたは当初、肉筆彩色で彩られた豪華なかるたが、公家や大名などの間で用いられましたが、木版をはじめとする、印刷技術の発達とともに、庶民へと広がりました。本展では、現存最古の百人一首かるたをはじめ、商家や寺院に伝わる華やかなかるた、また、現代までの間に様々に変化した、多彩なかるたの数々をご紹介するとともに、近代に始まった競技かるたの歴史を紹介します。
 百人一首かるたといえば、家庭において今も親しまれていますが、本展をご覧いただくことで、知っているようで、意外に知られていない百人一首かるたの歴史と魅力をお楽しみいただければ幸いです。


展覧会のみどころ

 では、今回の展示品の中から、いくつかご紹介しましょう。
 肉筆彩色のかるたとしてご紹介するのは、現存最古の百人一首かるたとして知られるかるた滴翠美術館所蔵の「道勝法親王筆百人一首歌かるた」です。また、洛東遺芳館に伝わる京都屈指の豪商であった那波家(那波屋)五代目九郎左衛門祐英の四女里代(1693〜1762)が、同じく京都の豪商、柏原家(柏屋)四代目九右衛門光忠に嫁いだ際に、婚礼道具として持参した百人一首かるたなど、数多くの肉筆彩色のかるたを展示します。
 展示作品の中には、扇形や駒形など、ちょっと変わったかるたも展示しますので、こちらも是非ご覧ください。


小倉百人一首歌かるた 洛東遺芳館蔵

扇面小倉百人一首歌かるた
大牟田市立三池カルタ・歴史資料館蔵
駒形小倉百人一首歌かるた
大牟田市立三池カルタ・歴史資料館蔵

 さらに、百人一首以外では、源氏物語や伊勢物語、古今和歌集などの和歌を記した「歌かるた」や、花鳥や獣などの札を合わせる「絵合わせかるた」があります。小倉百人一首以外にも、バリエーション豊かなかるたが制作されていたことがご覧いただることでしょう。


獣魚絵合わせかるた 原在中・原在明筆
京都・霊鑑寺蔵
風流源氏歌かるた 葛飾北斎画
大牟田市立三池カルタ・歴史資料館蔵

源氏物語歌かるた 石山寺蔵

 百人一首かるたが普及する過程を紹介するコーナーでは、木版摺や版彩色かるた、また、おもに賭博用に制作された「むべ山かるた」など、江戸時代の様々なかるたを展示するとともに、近代以降に制作された百人一首かるたの数々もご覧いただきます。
 最後は競技かるたのコーナーです。近代に始まった競技かるたは、戦前戦後の世相の中で、ルールや方法が整えられました。展示では、その変遷をたどるとともに、近年、競技かるたが注目されるきっかけとなった、漫画「ちはやふる」の貴重な原画もあわせて展示します。

錦絵百人一首歌かるた
個人蔵
むべ山かるた
洛東遺芳館蔵
日露戦勝記念百人一首歌かるた
大牟田市立三池カルタ・歴史資料館蔵

展示解説図録

「百人一首かるたの世界」展示解説図録
平成25年発行 A4判 48頁 1000円(カード会員価格800円)
 

企画展インフォメーション

タイトル  企画展 百人一首かるたの世界
会期 平成25年 10月5日(土)〜11月17日(日)
期間中の休館日 月曜日(10月14日・11月4日を除く)、10月15日、11月5日
会場 大津市歴史博物館 企画展示室A・B
主催 大津市、大津市教育委員会、大津市歴史博物館、京都新聞社
共催 NHK大津放送局
後援 近江神宮・BBCびわ湖放送・エフエム滋賀・エフエム京都
観覧料 一般1,000円(800円)  高校・大学生500円(400円)  小中学生 無料
※( )内は、前売、15名様以上の団体。および、大津市内在住の65歳以上の方、大津市内在住の障害者の方の割引料金(証明するものをご提示ください)。
前売券 前売券は、大津市観光案内所(大津駅・石山駅・堅田駅前)、大津市民会館、
ローソンチケット(Lコード:51863)をはじめ、京阪津地区の主なプレイガイドで9月13日から発売。