大津の歴史事典
分野:人物
紀楳亭
きばいてい (1734〜1810)
江戸後期の画家。享保19年(1734)山城国鳥羽で生まれた。画号は楳亭。晩年大津に移住してからは「湖南九老」と称した。楳亭は、俳人で南画家でもある与謝蕪村に師事し、蕪村の画風を忠実に継承したため、「近江蕪村」とも呼ばれた。彼は多様な画題の作品を残したが、大津町の札の辻付近のにぎわいを描いた「米浜初午・大津八丁往来図」はその代表作。文化7年(1810)に大津で没した。墓は小関町の共同墓地。大津で暮らした鍵屋町の借家跡には「紀楳亭居住之地」の標石が建つ。