大津の歴史事典
分野:人物
横井金谷
よこいきんこく (1761〜1832)
江戸後期の画家。宝暦11年(1761)栗太郡下笠村(草津市)に生まれる。はじめ浄土宗の僧侶であったが、後に山伏となって諸国を放浪したという。彼は若いときから絵を独習し、特定の師についたわけではないが、与謝蕪村に傾倒していたため、紀楳亭とともに「近江蕪村」とも称された。63歳で坂本に住居を定め、草庵「常楽房」を営んだ。彼は、天保3年(1832)72歳で没するまで、ここで暮らした。この頃の金谷の画賛には「金谷道人滋賀山寺に於いて写す」「台嶺麓下金谷写す」などと記されている。おそらく大津の山水の美しさが、晩年の金谷の心をとらえたのであろう。