大津の歴史事典
分野:人物
円仁
えんにん (794〜864)
慈覚大師。延暦13年(794)下野国都賀郡(栃木県)に生まれる。平安中期以降、天台宗は山門(延暦寺)と寺門(園城寺)の両派に分かれて相争うが、山門派の祖とされるのが円仁である。15歳で比叡山に登り、以後最澄にしたがい修行。最澄の死後、義真とともに天台教学を支えた。承和2年(835)から13年間唐に渡り、五台山内の文殊菩薩の霊跡を巡り、帰国後比叡山東塔に文殊楼を建立。また唐の長安で密教を学び、日本天台宗の密教化の端緒をつくった。円仁の唐での旅の記録は『入唐求法巡礼行記』として伝わっている。仁寿4年(854)第三代天台座主に就任、貞観6年(864)入寂。