大津の歴史事典
分野:人物
円珍
えんちん (814〜891)
智証大師。園城寺(三井寺)中興の祖。寺門派の祖とも仰がれる。弘仁5年(814)讃岐国那珂郡に生まれた。同地の名刹金倉寺(香川県善通寺市)は、円珍生誕の故地と伝えられている。比叡山での山籠修行の後、仁寿3年(853)唐に渡り天台山国清寺などの諸寺を歴訪、多くの名徳に教えを受けた。帰国後は、園城寺を再興して天台別院とし、貞観10年(868)、第五代天台座主に補任された。円珍が帰国に際して将来した典籍や図像、法具類は現存し、園城寺に伝来している。