大津の歴史事典
分野:人物
最澄
さいちょう (767〜822)
日本天台宗の祖。伝教大師。渡来人三津首(みつのおびと)氏の出身で幼名は広野といった。15歳で得度したが、奈良時代以来の官寺仏教に疑問を持ち、比叡山に籠もり修行。その間、山中の虚空蔵尾(こくぞうのお)で霊木を得、自ら薬師如来の尊像を刻み、まつった(根本薬師堂、後の根本中堂)。これが比叡山延暦寺の始まりとなる。また根本経典を『法華経』に求め、これによって末法の世に生きる人々を救おうと決心した。延暦23年(804)には唐に渡り天台山などで修行(入唐求法)。帰国後、桓武天皇の支持をうけて天台宗を創設、朝廷の信仰を集めて延暦寺の基礎を築いた。弘仁2年(822)没。