山ノ神遺跡は、瀬田丘陵における古代生産遺跡のひとつで、大津市一里山三・五丁目にあります。
これまでの発掘調査により、窯跡4基とそれに伴なう灰などを捨てた灰原、土器生産の工房と考えられる竪穴建物(たてあなたてもの)や掘立柱建物(ほったてばしらたてもの)などが発見されています。
窯跡のうち、3基(1・2・3号窯)は須恵器とよばれる焼き物を専門に焼いた窯で、残りの1基(4号窯)は初め須恵器を焼き、後に鴟尾(しび)を焼いていました。鴟尾とは、寺院や宮殿の屋根の大棟の両端を飾る瓦です。
このような山ノ神遺跡の窯の操業(そうぎょう)時期は、出土した遺物から7世紀の中頃から後半に限定され、特に大津宮時代(667〜672)に多量の製品が生産されることから、天智(てんじ)天皇の大津宮との深い関係が指摘されています。
今回のミニ企画展では、このような古代近江の一大生産地であった山ノ神遺跡の出土資料について紹介します。
山ノ神遺跡 4号窯全景(南西より)
山ノ神遺跡出土須恵器 杯身(つきみ)・杯蓋(つきぶた)・高杯(たかつき)・椀(わん)・皿(さら)・盤(ばん)・長頸壺(ちょうけいこ)・短頸壺(たんけいこ)・横瓶(よこべ)・平瓶(ひらべ)・甕(かめ)・甑(こしき)・台付鉢(だいつきはち)・すり鉢(ばち)・はそう・硯(すずり)・土鈴(どれい)・土馬(どば)・土錘(どすい) |
古代の土器と現代のものとの比較コーナー |
山ノ神遺跡出土鴟尾(エントランスホール) |
展覧会をより深くご理解いただくため、期間中さまざまな講座を開催いたします。
古代の衣装を着て、復元鴟尾と並んで写真をとろう。撮影した写真はその場でプリントして差し上げます。
日時:平成17年8月13日(土)〜8月21日(日)までの土日曜日14時〜15時《但し15日(月)は休館のため不開催》
場所:大津市歴史博物館エントランスホール 対象者:小学生以下(常設展示をご観覧いただける人)
常設展示のチケットでご観覧いただけます。
観覧料 | 一般210円(160円) 高大生150円(120円) 小中生100円(80円) ※( )内は団体・前売料金。市内在住の65歳以上の方・障害者の方は無料 |
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会場 | 常設展示室1F ミニ企画展コーナー |
期間中の休館日 | 9月20・26日、10月3・11・17・24・31日 |