大津市歴史博物館

お知らせ

企画展
「広瀬宰平と伊庭貞剛の軌跡」-別子銅山から大津住友活機園まで-
10月1日(土)-11月13日(日)

概要

 豪商住友家が開いた四国の別子銅山は、明治維新前後に危機を迎えるが、それを見事に立て直した二人の人物がいた。広瀬宰平(ひろせさいへい)と伊庭貞剛(いばていごう)。ともに近江の出身であった。宰平は文政十一年(一八ニ八)、野洲郡八夫村(やぶ、現野洲市)の医者北脇理三郎の次男として、そして貞剛は弘化四年(一八四七)、蒲生郡西宿村(にしじゅく)現近江八幡市)の代官伊庭貞隆の長男として生まれた。但し出生は母の実家八夫村の北脇家で、二人は叔父と甥の関係であった。
 現在、八夫には二人の誕生地を示す石碑が建ち、西宿にも貞剛を顕彰する会がある。二人の活躍の場は遠く離れた別子銅山であっても、心は常に郷土にあった。特に伊庭貞剛は晩年、大津石山に名建築と賞賛される住友活機園(重要文化財)を建て、この地で八〇歳の天寿を全うした。

 本展では、別子銅山の関係資料や住友家ゆかりの美術品を展示。江戸時代、住友家が要人の接待に飾った日吉山王祭礼図屏風や明治期の銅山を描いた薩摩焼記念杯、活機園で貞剛が愛用した木製椅子(リクライニング式)、親交のあった鹿子木孟郎(かのこぎたけしろう)の琵琶法師図、明治政府の閣僚の書、変り種では製錬所のあった瀬戸内海四阪島(しさかじま)を走ったミゼット型消防車など。総数ニ五○点余。その全てが歴史の証言者である。

住友活機園外観 住友林業株式会社提供


おもな展示作品

日吉山王祭礼図(部分)  海北友雪筆 泉屋博古館蔵 ※10/1〜10/30展示
伊庭貞剛(幽庵)俳画 「もみち散しく」 大正時代 沙沙貴神社蔵
品川弥二郎書状 明治32年(1899)ほか 別子銅山記念館蔵
薩摩焼記念杯 帯山与兵衛 明治10年 新居浜市広瀬記念館蔵

関連の催し物

展覧会をより深くご理解いただくため、期間中さまざまな講座を開催いたします。

第334回土曜講座
「広瀬宰平と伊庭貞剛の足跡(展示解説)」 講師:樋爪 修(本館学芸員)
平成17年10月1日(土)13:30〜

環境の時代といわれる21世紀。しかし、およそ100年前、別子銅山(現:愛知県新居浜市)において、環境問題に真正面から取り組んだ実業家がいた!
その2人、広瀬宰平と伊庭貞剛の生涯をあますところなく解説します。
【申込締切】9月21日(水) 【参加料】200円(カード会員100円)



住友活機園(重文旧伊庭邸)見学会
平成17年10月8日(土)・15日(土)13:30〜

住友活機園は、伊庭貞剛が余生を過ごした邸宅です。洋館と和館からなり、明治時代後期を代表する近代建築として重要文化財に指定されています。
【申込締切】9月28日(水) 【参加料】300円(カード会員150円)
※両日とも内容は同じです。お申込みはいずれか一方のみでお願いします。



古文書に親しむ24 伊庭貞剛宛書簡を読む 講師:樋爪 修(本館学芸員)
平成17年10月22日(土)13:30〜

ボストン美術館東洋部長を務めた岡倉天心や、滋賀県令籠手田安定らが、伊庭貞剛に宛てた書簡をテキストに使用します。いずれも難読な文字ですが、各人のユニークな筆跡を見るだけでも楽しいと思います。
【申込締切】10月12日(水) 【参加料】200円(カード会員100円)


・上記の各講座・教室は事前申込制です。
・ハガキで歴史博物館までお申し込み下さい。
・申込の際には、希望する講座名・住所・氏名・電話番号を必ずお書きください。
・定員を超える場合は抽選となります。


ギャラリートーク(展示品解説)
毎週木曜日 14:00〜

来館者の皆様に展示作品により一層親しんでいただけるよう、ギャラリートークを行ないます。実際の作品の前で、博物館学芸員が作品の見どころをご紹介ので、是非ご参加ください。
※事前申込みは不要です。
※展示観覧のお客様は無料でご参加いただけます。


ミゼット消防車と撮影会
平成17年10月16日〜11月13日までの土・日・祝 14:00〜15:00

当時、精錬所のあった瀬戸内海四阪島で、消防車として使用されていた、ミゼット自動車と一緒に、消防士さんの衣装で記念撮影をしませんか? 撮った写真はその場でプリントし、プレゼントします。
※事前申込みは不要です。
※展示観覧のお客様は無料でご参加いただけます。

企画展インフォメーション

観覧料 一般600円(480円) 高大生500円(400円) 小中生200円(160円)
※( )内は団体、前売、市内在住の65歳以上の方・障害者の方の割引料金
会場 企画展示室A
期間中の休館日 10月3・11・17・24・31日、11月4・7日