大津市歴史博物館

お知らせ

第102回ミニ企画展
大津の仏教文化13 延暦寺の仏画
平成25年 1月16日(水)〜2月24日(日)

概要

 湖西にそびえる比叡山は古来より信仰の山として著名でした。延暦七年(788)に、伝教大師最澄が延暦寺を建立し、それ以来、都を守護する寺院として崇拝を集め、我が国最大の寺院として興隆しました。特に、高僧を多く輩出したことにより、日本仏教の母山として著名です。現在は、天台宗の総本山として大変多くの寺宝を所蔵していることで知られています。本展では、その中から今まであまり紹介されることのなかった里坊などの延暦寺周辺に関わる未指定の仏画を紹介します。
 ※比叡山延暦寺の山坊や里坊のうち、諸事情によって寺院名を公表しない寺院を「延暦寺山内寺院」と表しています。


おもな展示作品

絹本著色弁才天像 1幅 鎌倉〜南北朝時代 延暦寺山内寺院(天台宗)蔵

 延暦寺の東塔系の山内寺院に伝来。八臂の坐像の弁才天を大きく配し、その下に諸神像が集まる様子を描いています。竹生島の宝厳寺にも近似する図柄のものが伝来し、本図も竹生島弁才天を表している可能性があります。竹生島は延暦寺の末寺として知られ、山王曼荼羅などにもよく描かれています。本図は比叡山に残る、鎌倉〜南北朝まで遡る貴重な作例です。初公開。

 
全図
部分

  

紙本著色降魔大師縁起絵巻 1巻 宝永4年(1707) 観明院(天台宗)蔵

 延暦寺東塔北谷の山内寺院、観明院に伝来。東塔北谷本尊である良源像(降魔大師)に関する縁起絵巻で、住吉具慶の弟子長谷川常貞が描き、天台座主堯延法親王の奥書を有しています。東塔北谷竹林院の降魔大師像(観明院に現存)は、良源が自ら描いたもので、画像から眉毛が生えるという霊験があり、その他数々の霊験話を記しています。

 
良源が自画像を描いている場面
巻頭

展示作品一覧

 
 1   絹本著色天台・伝教・慈覚大師像    1幅  鎌倉時代      延暦寺山内寺院蔵
 2   絹本著色天台大師像          1幅  江戸時代      延暦寺山内寺院蔵
 3   絹本著色慈恵大師像          1幅  江戸時代      延暦寺山内寺院旧蔵
 4   絹本著色弁才天像           1幅  鎌倉〜南北朝時代  延暦寺山内寺院蔵
 5 △ 絹本著色日吉山王垂迹神曼荼羅図    1幅  鎌倉時代      大津市歴史博物館蔵
 6   絹本著色大行事像           1幅  江戸時代      延暦寺山内寺院旧蔵
 7   絹本著色東照種子曼荼羅図       1幅  江戸時代      個人蔵
 8   紙本著色降魔大師縁起絵巻       1巻  宝永4年(1707)観明院蔵
 9   紙本墨書高僧図像           1巻  貞享元年(1684)延暦寺蔵
 参考  紙本著色唐子図            1幅  江戸時代      延暦寺山内寺院蔵

   ※ △は大津市指定文化財
     ※ bSと参考は初出陳。
     ※NO.9は、2月5日(火)から展示

企画展インフォメーション

タイトル 第102回ミニ企画展 大津の仏教文化13 延暦寺の仏画
会期 平成25年1月16日(水)〜2月24日(日)
期間中の休館日 月曜日
会場 大津市歴史博物館 常設展示室内 ミニ企画展コーナー
観覧料 常設展示観覧料でご覧いただけます。
一般210円(160円)  高校・大学生150円(120円)  小中学生 100円(80円)
※( )内は、15名様以上の団体料金。大津市内在住の65歳以上の方、大津市内在住の障害者の方は無料(証明するものをご提示ください)。
※土曜日は、すべての小中学生の方は無料です。