このたび、大津市伊香立南庄町の光明寺に伝来する「絹本著色阿弥陀三尊来迎図 鎌倉時代」が、滋賀県指定有形文化財に指定されることを記念して、大津市歴史博物館の常設展示室2階において特別公開を実施します。 。
絹本著色阿弥陀三尊来迎図 鎌倉時代 大津市伊香立南庄町・光明寺蔵
光明寺に伝来する本図は、往生者(おうじょうしゃ)の魂を極楽浄土へ導くため、阿弥陀如来(あみだにょらい)と観音菩薩(かんのんぼさつ)、勢至菩薩(せいしぼさつ)がお迎えに来ている場面(来迎(らいごう))を表しています。このような内容は、平安時代以降、人々の間で大流行し、大変多く制作されました。絹に描かれた本図は、金泥(きんでい:金粉を膠(にかわ)で溶いた絵具)で光を放つ仏を表し、截金(きりかね:金箔を細い糸状に切ったもので文様などを表現する技法)で衣の文様を表した大変煌びやかな仏画です。 中でも光明寺に伝来する本図は、その出来栄えが素晴らしいだけではなく、他に例を見ない特殊な表現が見られます。それが、観音菩薩の蓮台に乗る往生者の姿です。往生者が描かれる来迎図では、往生者は屋敷の中でお迎えを待つ姿が通例です。しかし、本図に描かれる往生者は、まるではやる気持ちを抑えられないかのように、観音菩薩の持つ蓮台の上に座り、合掌しています。このような姿は他に例がなく、また出来栄えの優れた本図は、大変貴重な仏画といえるでしょう。
蓮台に乗る往生者の姿
タイトル | 特別公開!新指定! 光明寺の阿弥陀三尊来迎図 |
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会期 | 平成28年 4月9日(土)〜4月24日(日) |
開館時間 | 9時〜17時(展示室への入場は16時30分まで) |
期間中の休館日 | 月曜日 |
会場 | 大津市歴史博物館 常設展示室2階 |
観覧料 | 常設展示観覧料が必要です。 |