常設展示室1階の坂本コーナーの展示替えを行ないました。
展示期間は8月下旬までを予定しています(都合により変更する場合があります)。
紙本著色熊野参詣曼荼羅図 西教寺蔵
「熊野参詣曼荼羅」は別名を「那智参詣曼荼羅」といい、熊野那智大社と那智滝を描いた参詣曼荼羅です。画面左上に那智大社、右に那智滝が描かれています。熊野参詣は当時の人々の憧れでしたが、遠くて行けない人も多かったことから、「熊野比丘尼(くまのびくに)」と呼ばれる人々が各地を巡り、絵解きを行っていました。本図は現在掛軸となっていますが、折り目が残っていることから、本来は折りたたんで持ち歩いていたと考えられます。当時の信仰の様子をうかがい知ることができる貴重な作例です。
麻本著色盂蘭盆経説相図 西教寺蔵
本図は、先祖供養と横死(事故死・殺害などの不慮の死)した人々を鎮魂するための盂蘭盆会(うらぼんえ、施餓鬼法要:せがきほうよう)の際に用いられるものです。仏弟子の目連尊者が餓鬼道に落ちた亡母に供養した伝説をもとに絵画化されており、中央に仏たちへ供物を捧げる様子が描かれ、下部には先祖や地獄に落ちた人々への供養の様子が表されています。本図は作風から朝鮮で制作されたと考えられますが、制作年が判明する中では2番目に古く、また「万暦」という中国の元号を使用している点も含めて、大変興味深い作例といえます。
展示箇所 | 大津市歴史博物館 常設展示室1階 坂本コーナー |
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観覧料 | 常設展示観覧料が必要です。 |