大津市歴史博物館

お知らせ

大津市歴史博物館 第71回企画展
 大津の浄土宗寺院 新知恩院と乗念寺
開催期間 平成28年 10月15日(土)〜11月27日(日)

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 我が国の浄土教の中心地、比叡山で平安後期に修行した法然上人は、浄土宗の開祖として著名で、大津市には上人の教えを受け継ぐ多くの寺院が法灯を伝えています。今回の企画展では、そのなかから伊香立下在地町の新知恩院と京町(下百石町)の乗念寺の歴史と宝物を紹介します。
 大谷山新知恩院は、15世紀後半に京都で応仁の乱が起こった際、知恩院の周誉(しゅうよ)上人が戦火を逃れるために、多くの寺宝とともに伊香立に疎開して出来た寺院です。乱が終わって後も、新知恩院は大津の浄土宗の中心的な寺院として、現在に至るまで法灯を守り続けています。
 一方、香光山乗念寺は、古代より水陸交通の要所として知られた大津町に、天正16年(1588)、信誉(しんよ)上人よって開創されました。江戸時代には「大津門中」の一ヵ寺として知られ、現在にいたるまで大津百町の町人や檀信徒の信仰を集めています。
 当館では、大津市内の浄土宗寺院に伝来する寺宝調査を継続して行っています。本展では、それらの成果に基づき、伊香立の歴史の一端を伝える新知恩院と、大津百町の歴史を物語る乗念寺に伝わる仏像や仏画、そして古文書などの寺宝を全118件(うち、74件が初公開)展示します。大津の豊かな仏教文化に触れていただけましたら幸いです。

※文中の、◎は重要文化財、△は大津市指定文化財を表します。
※会期中展示替えがあります。


企画展インフォメーション

タイトル 大津の浄土宗寺院 新知恩院と乗念寺
会期 平成28年 10月15日(土)〜11月27日(日)
開館時間 9時〜17時(展示室への入場は16時30分まで)
休館日 月曜日および11月4日・24日
会場 大津市歴史博物館 企画展示室A・B
主催 大津市、大津市教育委員会、大津市歴史博物館、京都新聞
特別協力 新知恩院・乗念寺
協力 浄土宗滋賀教区・浄土宗滋賀教区大津組
後援 NHK大津放送局・BBCびわ湖放送・エフエム滋賀
観覧料 一般:800円(640円) 高校生・大学生400円(320円) 小学生・中学生200円(160円)
※( )内は、前売り、15名以上の団体割引、または大津市内在住の65歳以上の方、市内在住の障害者の方、市内在住の介護保険の要介護者・要支援者の方の割引料金(証明するものをご提示ください)。
前売券 前売券は、大津市観光案内所(JR大津駅・石山駅・堅田駅前)、大津市民会館、ローソンチケット(Lコード:54077)をはじめ、京阪津地区の主なプレイガイドで9月1日(金)から11月27日(日)まで発売。

 ※企画展「大津の浄土宗寺院 新知恩院と乗念寺」の出品一覧⇒【ダウンロードはこちら(PDF、490KB)】

展示構成

序章 法然上人

 新知恩院と乗念寺に伝わる、法然上人に関する宝物を紹介します。


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法然上人立像
鎌倉時代 新知恩院蔵

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選択本願念仏集
永享11年(1439) 新知恩院蔵

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法然上人絵伝
文化6年(1809) 乗念寺蔵



1 新知恩院展

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1.新知恩院の創建と展開―応仁文明の乱と周誉上人―

 新知恩院の創建に関わる資料や宝物を紹介します。


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新知恩院縁起
延享5年(1748) 新知恩院蔵

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六字名号(蓋蓮華の名号 厨子入り)
宝徳3年(1451) 新知恩院蔵

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念佛往生浄土宗血脉相伝手次事
長禄4年(1460) 新知恩院蔵



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東山大谷知恩院末代制誡記録
文亀3年(1503) 新知恩院蔵

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薬師如来坐像
平安時代 新知恩院蔵

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末代念佛授手印
弘安3年(1280) 新知恩院蔵



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授朱印血脉次第
長禄4年(1460) 新知恩院蔵



2.新知恩院の宝物

 新知恩院に伝来した寺宝の数々を紹介します。


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釈迦涅槃像
鎌倉時代 新知恩院蔵

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大慧普覚禅師普説巻第十五(京都三聖寺旧蔵宋版一切経のうち)
中国・南宋時代 新知恩院蔵



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◎阿弥陀如来二十五菩薩来迎図
鎌倉時代 新知恩院蔵

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◎六道絵(全6幅のうち、天道・畜生道・餓鬼道の3幅)
中国・南宋時代 新知恩院蔵

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新知恩院什宝目録
江戸時代 八所神社蔵



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釈迦三尊図
南北朝時代 新知恩院蔵

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△十六羅漢図
南北朝時代 新知恩院蔵

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仏涅槃図
室町時代 新知恩院蔵



3.江戸時代の伊香立と新知恩院

 伊香立における新知恩院の様子について紹介します。


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織田信長禁制
永禄11年(1568) 新知恩院蔵

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新知恩院寺領由来状案
元和3年(1617) 新知恩院蔵

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一札(普賢院住職任命につき)
享保10年(1725) 新知恩院蔵



2 乗念寺展

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1.澄蓮社信誉上人と乗念寺の創建

 乗念寺創建の頃について紹介します。

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信誉上人像
江戸時代(17世紀) 乗念寺蔵

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光誉上人像
江戸時代(17世紀) 乗念寺蔵

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江州大津乗念寺境内并諸舎記
享保4年(1719) 乗念寺蔵



2.大津百町と乗念寺・大津門中

 大津百町における乗念寺について紹介します。


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湖南門中規則
文化2年(1805) 乗念寺蔵

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一札之事(往来者重兵衛死去一件)
文化10年(1813) 乗念寺蔵

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覚(町義の銀子一件)
宝永3年(1706) 乗念寺蔵



3.乗念寺と檀信徒―寺院と宝物を支える人々―

 乗念寺に伝わる寺宝を紹介します。


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◎聖観音立像
平安時代 乗念寺蔵

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阿弥陀如来立像
鎌倉時代 乗念寺蔵

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観経変相図
鎌倉時代 乗念寺蔵



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阿弥陀三尊来迎図
南北朝時代 乗念寺蔵

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阿弥陀来迎図
鎌倉時代 乗念寺蔵

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阿弥陀来迎図
室町時代 乗念寺蔵



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阿弥陀来迎図
鎌倉時代 乗念寺蔵

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阿弥陀如来像
南北朝時代 乗念寺蔵

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日吉山王本地仏曼荼羅図
鎌倉時代 乗念寺蔵



4.乗念寺の末寺

 乗念寺に伝わる末寺に関する古文書を紹介します。


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本寺証文事(秋岸寺末寺につき)
元禄5年(1692) 乗念寺蔵

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称名寺末寺願書 正保3年(1646)
乗念寺蔵

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奉願口上書(龍蔵寺住持につき)
元文2年(1737) 乗念寺蔵



れきはく講座(講演会)

展覧会をより深くご理解いただくため、期間中全8回の講座を開催いたします。
聴講には、事前申込が必要です。詳細は講座・講演会情報をご覧ください。


企画展関連書籍

解説図録 『新知恩院』
A5版 64頁 700円(カード会員価格600円)
解説図録 『乗念寺』
A5版 64頁 700円(カード会員価格600円)