大津市歴史博物館

お知らせ

志賀町・大津市合併20周年記念企画展(第99回企画展)
 湖西の神仏
開催期間 令和8年(2026年)3月7日(土曜)から4月19日(日曜)まで

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  大津市北部に位置する旧志賀町域は、高島市などとともに「湖西」と呼ばれます。比良山系の豊かな自然を背景に、現在の市域を超えた文化的つながりがはぐくまれ、中でも特色ある宗教文化で知られています。
 湖西では、飛鳥時代後期から本格的な造寺造仏が行われていたことが、真野廃寺や和邇今宿遺跡から発見された瓦や塑像から分かります。奈良時代には、高島が平城京造営の木材供給地となり、比良山系は南都の僧侶がこもり修行する場として知られるなど、独特の山岳信仰が栄えました。平安時代に入り、比叡山延暦寺が開かれると、比良三千坊と呼ばれるほど多くの寺院が建立されたとも伝えられます。西近江路や若狭街道(鯖街道)などが通る交通の要衝でもあり、中世以降、浄土真宗の道場も多く建立されました。
 志賀町は、平成18年(2006)3月に大津市と合併し、令和8年(2026)は合併20周年にあたります。そこで本展では、豊かな歴史を持つ湖西の宗教文化に注目し、この地域に伝来する仏像や神像、仏画、聖教などを展示します。


企画展インフォメーション

  
タイトル 志賀町・大津市合併20周年記念企画展(第99回企画展)
「湖西の神仏」
会期 令和8年(2026年)3月7日(土曜)から4月19日(日曜)まで
開館時間 午前9時から午後5時まで(展示室への入場は午後4時30分まで)
休館日 月曜日
※年間の休館日カレンダーもご確認ください。
会場 大津市歴史博物館 企画展示室A
主催 大津市歴史博物館
後援 朝日新聞大津総局、e-radio エフエム滋賀、NHK大津放送局、共同通信社大津支局、京都新聞、KBS京都、産経新聞社、時事通信社大津支局、(株)ZTV滋賀放送局、中日新聞社、日本経済新聞社大津支局、BBCびわ湖放送、毎日新聞大津支局、読売新聞大津支局
観覧料 一般800円(640円)、高校生・大学生400円(320円)、小学生・中学生200円(160円)
※( )内は15名以上の団体、大津市内在住の65歳以上の方、大津市内在住の障がい者の方、大津市内在住の介護保険の要介護者・要支援者の方の割引料金(証明できるものをご提示ください)。
※企画展チケットで、常設展示も合わせて観覧できます。
※大津市文化財家族参観事業(家族ふれあいサンデー)について、本展は対象になりません。


  

記念講演会・れきはく講座・現地見学会

記念講演会およびれきはく講座・現地見学会を開催します。
詳細情報は、公開までしばらくお待ちください。



主な展示作品

※本展は、会期中に展示替えをおこないます。
※掲載画像の無断転載禁止。


第1章 湖西の神仏のはじまり

  

 近江大津宮の存在を背景に、飛鳥時代後期には湖西の地に仏教文化がもたらされました。また、奈良時代に入ると、特色ある山岳仏教が花開いたことが文献史料から確認できます。本章では、湖西の神仏のはじまりを古代寺院遺跡の出土品などからたどります。

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蓮華文軒丸瓦 1点
飛鳥時代
和邇今宿遺跡出土

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塑造断片 一括
飛鳥時代
真野廃寺出土


 

第2章 比良山の神々とその縁起

  

 比良山系には、多彩な神々が鎮座する社やそれにまつわる縁起が残されています。比良明神や三尾明神は東大寺や長谷寺など奈良との関係で語られる一方、白鬚明神や天神は天台関係の縁起に登場します。本章では、南都や比叡山と関わりながら展開した湖西の神仏の歴史をよく反映した神々とその縁起を紹介します。

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白鬚大明神縁起 2巻
江戸時代
鵜川・白鬚神社蔵

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重要文化財 神将立像 1躯
平安時代
北比良・天満神社蔵

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天神縁起絵巻 1巻
江戸時代
北比良財産管理会蔵



第3章 「比良三千坊」と山麓の文化財―「近江国比良庄絵図」の領域から―

  

 平安時代以降、湖西の地では比叡山延暦寺の影響のもと、「比良三千坊」と呼ばれるほど多くの寺社が建立されたと伝わります。その一端を示すのが、中世に描かれた「近江国比良庄絵図」で、「カツラ川」や「小松庄社」など、現代まで続く寺社も描き込まれています。本章では「近江国比良庄絵図」の領域から湖西の神仏の諸相を紹介します。

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比良庄絵図 1鋪
江戸時代
南比良共有財産管理委員会蔵

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重要文化財 相応和尚像 1幅
鎌倉時代
比叡山延暦寺蔵
※前期展示

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重要文化財 僧形神坐像 1躯
平安時代
葛川坊村・地主神社蔵


 
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不動明王立像 1躯
南北朝時代
北小松・徳勝寺薬師堂蔵

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重要文化財 薬師如来坐像 1躯
平安時代
音羽・長谷寺蔵

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地蔵菩薩坐像 1躯
室町時代
南小松・大仙寺蔵



第4章 比良山麓の宗教空間―栗原・和邇・小野の文化財から―

  

 志賀町の中でも特に文化財が集中するのが栗原・和邇・小野を中心とする南部です。この地域は、途中越えで京都へと抜ける交通の要衝で、式内社の小野神社といった古くからの社に加え、中世以降に建立された浄土系や真盛派の寺院も残ります。本章では、志賀町南部の文化財から比良山麓の豊かな宗教空間を紹介します。

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男神坐像 1躯
平安時代
和邇中・天皇神社蔵

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獅子・狛犬 1対
鎌倉時代
和邇中浜区蔵

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獅子・狛犬 1対
鎌倉〜南北朝時代
小野・小野篁神社蔵


 
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薬師如来坐像 1躯
江戸時代
和邇中・薬師堂蔵

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菩薩立像 2躯
鎌倉時代
小野・上品寺蔵

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涅槃図 1幅
鎌倉時代
小野・上品寺蔵


 
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真光筆十念名号 1幅
天文19年(1550)
和邇北浜・真光寺蔵

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地蔵菩薩立像 1躯
平安時代
和邇北浜・真光寺蔵

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阿弥陀如来立像 1躯
鎌倉時代
和邇中・西岸寺蔵



第5章 湖西と真宗のひろがり

  

 志賀町の寺院の半数以上を真宗系の寺院が占めています。これらの中には、堅田・本福寺に関係するものや、天台寺院からの転宗を伝えるものなどがあり、湖西独特の様相を示します。本章では、近年の調査成果から湖西における真宗のひろがりを紹介します。


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阿弥陀如来像(方便法身尊像) 1幅
永正7年(1510)
北小松・徳勝寺蔵

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十字名号 1幅
室町時代
和邇南浜・慶専寺蔵

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顕如上人像 1幅
慶長16年(1611)
和邇南浜・慶専寺蔵



第6章 神仏をまもり伝える―村堂と講―

  

 志賀町には、村堂や講が数多く残り、地域のつながりによって貴重な文化財がまもり伝えられてきました。中には平安時代にさかのぼる仏像や、珍しい屏風絵が残されている村堂もあり、本章ではこのような事例を紹介します。また、こうした文化財は盗難にあうことも多いため、これまでの盗難事例も取り上げ、後世への継承という観点にも注目します。

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鉦 3点
天文23年(1554)・元禄8年(1695)
栗原・大念仏講蔵

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地獄極楽図屏風 1隻
江戸時代
小野南町地蔵年番蔵