大津市歴史博物館

お知らせ

伝教大師最澄没後1200年企画展(第87回企画展)
 仏像をなおす
開催期間 令和4年(2022年)7月23日(土曜)から9月4日(日曜)まで

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 延暦7年(788年)に伝教大師最澄によって比叡山寺(比叡山延暦寺)が創建されて以降、大津は日本仏教の中心地として膨大な質量の仏像や神像が造られ、現在も彫刻の指定品の数は京都市と奈良市に次いで3番目に多い市として知られています。これらは、数多く造立されただけでなく、何度も修理や復興によってなおす、つまりもとの良好な状態に戻すことが行われてきたからこそ、現在にその姿を伝えています。
 本年は、比叡山延暦寺を開創した伝教大師最澄が、弘仁13年(822年)に没して1200年にあたります。それにあわせて、延暦寺では根本中堂をはじめとした多くの文化財の修復を行い、それにともなって数々の発見や見直しがありました。本展では、市内の寺社に現存する、修復や復興関係の史料や宝物を展示し、破損や亡失された仏像や神像が元通りにされてきた歴史を紹介します。
 最後に、本展を開催するにあたり、貴重なご宝物の出品をご快諾いただきましたご所蔵者のみなさま、ご協力いただきました関係各位に感謝申し上げます。


企画展インフォメーション

        
タイトル 伝教大師最澄没後1200年記念企画展(第87回企画展)
「仏像をなおす」
会期 令和4年(2022年)7月23日(土曜)から9月4日(日曜)まで
開館時間 午前9時から午後5時まで(展示室への入場は午後4時30分まで)
休館日 月曜日、8月12日(金曜)
年間の休館日カレンダーをご確認ください
会場 大津市歴史博物館 企画展示室B
主催 大津市、大津市歴史博物館
特別協力 比叡山延暦寺、日吉大社
協力 楽浪文化財修理所
後援 朝日新聞大津総局、e-radio、NHK大津放送局、共同通信社大津支局、京都新聞、KBS京都、産経新聞社、時事通信社大津支局、(株)ZTV滋賀放送局、中日新聞社、日本経済新聞社大津支局、BBCびわ湖放送、毎日新聞大津支局、読売新聞大津支局
観覧料 一般:500円(400円)、高校生・大学生:300円(240円)、小学生・中学生:200円(160円)
※企画展観覧料で、常設展示もご覧いただけます。
※( )内は、前売り、15名以上の団体、大津市内在住の65歳以上の方、大津市内在住の障がい者の方、大津市内在住の介護保険の要介護者・要支援者の方の割引料金(証明できるものをご提示ください)。
※前売り券は、当館受付では7月22日(金曜)まで販売し、大津市内観光案内所(大津駅・石山駅・堅田駅前)では6月25日(土曜)から9月4日(日曜)まで販売します。
※文化財家族参観事業(家族ふれあいサンデー)について、企画展は対象になりません。

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以下から、チラシと出品リストのダウンロードができます。

企画展「仏像をなおす」チラシ A4両面【2.0MB】

企画展「仏像をなおす」出品リスト ※2022年7月17日、内容を更新しました。


企画展関連講座

会期中全3回の講座を開催いたします。
聴講には、事前申込が必要です。申込方法や料金など、詳しくは講座・講演会情報をご覧ください。

  
2022年
 7月29日(金曜)
 14時30分から16時まで
れきはく講座「戦国期の日吉社の復興」
 講師:嵯峨井 建 氏(京都國學院講師)
 8月6日(土曜)
 14時30分から16時まで
れきはく講座「七条仏師の仏像ひな型」
 講師:丹村 祥子 氏(龍谷大学世界仏教文化研究センター客員研究員)
 9月4日(日曜)
 14時30分から16時まで
れきはく講座「近世彫刻史における山門復興造像について」
 講師:大崎 瑠生 氏(美術史家)

展示構成と主な展示作品

1.仏像・神像をなおす (1)修復

 仏像や神像が破損すると、修復が行われる場合があります。ここでは、仏像・神像修復のさまざまな事例や史料を紹介します。

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不動明王立像(護法童子像像内納入品)
比叡山延暦寺蔵 鎌倉時代

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十一面観音立像
西教寺蔵 平安時代
初出陳

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天衣(重要文化財 護法善神立像)
園城寺(三井寺)蔵 平安時代
初出陳



2.仏像・神像をなおす (2)復興

 仏像や神像が災害や戦乱などで失われると、かつての様相になおす復興が行われる場合があります。ここでは、元亀2年(1571年)の比叡山焼き討ち後の、復興の一例を紹介します。

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狛犬
獅子・狛犬(西本宮)

日吉大社蔵 桃山時代
初出陳

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獅子
獅子・狛犬(西本宮)

日吉大社蔵 桃山時代
初出陳


  
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布薩釈迦如来像
西教寺蔵 室町時代


  

3.比叡山延暦寺根本中堂の仏像をなおす

 現在、比叡山延暦寺の根本中堂に安置されている十二神像と梵天・帝釈天の14躯は、仏像をなおすさまざまな機会によって数奇な運命をたどりました。ここでは、今はなき京都・元応寺に安置すべく造立された本像のいきさつを紹介します。

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辰神
十二神将像(12躯のうち)

比叡山延暦寺蔵 鎌倉時代
初出陳

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午神
十二神将像(12躯のうち)

比叡山延暦寺蔵 鎌倉時代
初出陳

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未神 解体状態のまま
十二神将像(12躯のうち)

比叡山延暦寺蔵 鎌倉時代
初出陳


    

4.仏像をなおした縁起

 慈恵大師像の画像から眉毛が生えたという不思議な霊験を持つ、東塔北谷の降魔大師像。比叡山焼き討ちにより、一度行方不明になりましたが、奇瑞によって延暦寺に戻ってきました。その不思議な話を絵巻に表した「降魔大師縁起」を紹介します。
※都合により、チラシと内容を変更しました。

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比叡山焼き討ち
降魔大師縁起絵巻 観明院蔵 宝永4年(1707)

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慈恵大師が、自分の姿を描いています
降魔大師縁起絵巻 観明院蔵 宝永4年(1707)


  

5.仏像・神像をなおすときのひな型

 江戸時代から続く仏所に残された、仏像と神像のひな型は、当時の造像・修復の様子をリアルに物語るものです。ここでは、比叡山関係の江戸時代のひな型を紹介します。

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男神坐像(大宮)
仏像・神像ひな型

龍谷大学龍谷ミュージアム保管
江戸時代

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神像坐像(牛御子)
仏像・神像ひな型

龍谷大学龍谷ミュージアム保管
江戸時代

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慈恵大師坐像
仏像・神像ひな型

龍谷大学龍谷ミュージアム保管
江戸時代