大津市歴史博物館

展示・イベント

平成15年度


第33回 企画展
描かれた幕末の琵琶湖 −湖・里・山のなりわい−
平成15年5月21日(水)〜6月15日(日)

幕末の絵師、広瀬柏園が南湖上から描いたパノラマ絵巻。そこには、荷物を運ぶ丸子船や水田の肥料にするため湖中の藻を刈る船などが描かれています。また、山々も現在とは見違えるような姿になっています。本展では、これら描かれた情報から、当時の湖や山の様子を読み解き、その後の変遷を紹介することで、身近な景観の変貌を考えました。

第34回 企画展
比叡山麓の仏像 
平成15年10月4日(土)〜11月16日(日)

最澄による比叡山延暦寺の開創以来、日本仏教の中心地として、比叡山ならびにその山麓には多くの寺院が建立され、数多くの仏像が造像されました。度重なる災害、戦乱により、そのほとんどが失われましたが、今でも貴重な仏像が多数伝来しています。当館では、比叡山上の諸堂を始め、葛川や坂本里坊を中心とした山麓の延暦寺関連寺院、また市内の天台系寺院の調査を実施してきました。本展では、この調査により見出された尊像の数々を、比叡山上と山麓の名品と共に展示し、天台彫刻の諸相を概観しました。

第35回 企画展
近江八景 −湖国の風光・日本の情景−
平成16年2月27日(金)〜3月28日(日)

琵琶湖の変化に富んだその折々の姿を、中国の瀟湘(しょうしょう)八景になぞらえ成立した近江八景。日本を代表する名勝として、屏風・絵巻・浮世絵版画等に描かれた、みやびな八景、情感あふれる八景、印象表現的な八景などのテーマに分けて紹介。また、同様の情景を描いた近世・近代の作品を同時に展示し、近江八景には雪月花をはじめとした日本人の情趣を象徴する情景が盛り込まれた名所絵であることをクローズアップしました。

第31回 ミニ企画展
大津の古文書3 近世堅田の水運 
平成15年4月15日(火)〜6月1日(日)

中世の琵琶湖水運を支配した堅田は、近世に入っても信長・秀吉に重視され、江戸時代には大津とともに水運を主導する地位を保ちました。
 本展では、堅田の船道郷士(ふなどうごうし)四家の筆頭であった居初家(いそめけ)に伝来する古文書により、近世堅田水運の歴史を紹介しました。

第32回 ミニ企画展
大津の遺跡3 真野遺跡 
平成15年6月3日(火)〜7月21日(祝)

真野遺跡は、真野6丁目に所在する遺跡です。平成5〜8年に実施した発掘調査で、縄文時代早期の土器・石器や古墳時代の木棺直葬の古墳、後期の横穴式石室の古墳、中世の遺物等が出土しています。
 従来、室町時代だけの遺跡と考えられていた真野遺跡ですが、実際は縄文時代までさかのぼり、古墳時代には有力者の墓も築かれていました。本展では、出土遺物や遺構の写真パネル等により、当遺跡の姿や移り変わりを紹介しました。

第33回 ミニ企画展
大津・戦争・市民 
平成15年7月23日(水)〜8月31日(日)

明治8年(1875)、陸軍歩兵第九連隊が大津別所(御陵町)の地に駐屯して以来、第二次世界大戦が終わるまで、大津は「軍都」の側面を持っていました。本展では、戦時下の市民生活も含め、大津と軍隊・戦争の関わりを様々な資料から振り返りました。

第34回 ミニ企画展
坂本の美術 −公人屋敷の絵画−
平成15年9月2日(火)〜10月13日(祝)

延暦寺(山門)領の管理を担い、門前町坂本の年寄役でもあった山門公人(くにん)。本展では、現存唯一の公人屋敷に伝来した書画を展示し、文人としての顔をあわせ持った公人の側面を紹介しました。

第35回 ミニ企画展
行丸と日吉社復興 
平成15年10月15日(水)〜11月24日(振休)

織田信長の比叡山焼き討ちで焼失した日吉社は、祝部行丸(はふりべゆきまる)の尽力により復興を遂げます。行丸はこの復興のため、社頭の様子を描いた絵図や各社の記録・行儀次第など、多くの著作を残しています。今回は、これらの中から、社頭の様子や天台神道の教義を図解した、『山王絵図〔秘密山王曼荼羅(さんのうまんだら)〕』を中心に紹介しました。

第36回 ミニ企画展
近江の藩窯から −膳所焼と湖東焼−
平成15年11月26日(水)〜12月26日(金)

膳所焼(ぜぜやき)は、江戸時代の初め頃から膳所周辺の地で作られていた焼き物の総称です。いわゆる遠州好みとして知られる重厚な趣きの茶器をはじめ、どこか親しみのある瀬田焼や唐三彩風の釉が美しい梅林焼(ばいりんやき)など、膳所焼の多彩な側面を紹介します。また、彦根藩の藩窯として制作され、膳所焼と対照的な金襴手や錦手の美しい作品で知られる湖東焼もあわせて展示しました。

第37回 ミニ企画展
大津の仏教文化4 密教美術 
平成16年1月6日(火)〜2月15日(日)

密教尊像の容(かたち)を伝え、それらを製作するのに重要な「密教図像」テーマに構成しました。大津は台密(たいみつ)〔天台〕、東密〔真言〕の教学研究の中心の一つとして、様々な密教図像が伝来しています。本展は、それらを紹介するとともに、本館所蔵の両界曼荼羅(金剛界八十一尊曼荼羅・台密系)を展示しました。

第38回 ミニ企画展
絵はがきで見る琵琶湖と大津 
平成16年2月17日(火)〜4月11日(日)

カメラやホームビデオなどが家庭に普及する現在とは異なり、絵はがきは旅の思い出や記録としての役割を果たしていました。また、絵はがきは、観光だけではなく、建物の完成や催し物の記念、時には災害の記録としても制作されていました。本展では、様々な目的で制作された大津や琵琶湖の観光に関する絵はがきを元に、当時の景観や人々の生活の様子を紹介しました。