大津市歴史博物館

博物館の活動紹介

第48回 博物館の新収蔵品について(平成28年度上期)

 博物館では、散逸しがちな地域の史料や文化財を積極的に収集・保存しています。今回は、平成28年度上期の新収蔵品を紹介します。



大津絵見立忠臣蔵七段目図 紀楳亭筆  1幅(購入)

  

 紀楳亭(1734−1807)は、与謝蕪村の門人。天明8年(1788)の京都大火で焼け出され大津に移住。大津では、地元の文人と親しく交わり、愛すべき作品を多く残した。本作品は、大津絵のキャラクターが、仮名手本忠臣蔵の役に扮して描かれている。七段目の場面と役柄に対応した大津絵キャラの配役が絶妙である。   

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大津絵見立忠臣蔵七段目図 紀楳亭筆



景山出羽宛書状(旧景山家文書) 9件(購入)

  

 比叡山延暦寺のもとで年貢収納や末寺往信、また山王祭に関与した山門公人景山家旧蔵の古文書。その中で、京都町奉行などの役人らが比叡山巡見に際して出してきた文書群。江戸時代の比叡山と幕府の関係のみならず、坂本に居住した山門公人の役割がわかる資料群。   

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景山出羽宛書状(旧景山家文書)



上関寺町絵図 1鋪(購入)

  

 大津百町では、元禄8年(1695)に各町の絵図が作成され、大津代官に提出された。本絵図は、八丁通りの上手(南部)に位置する上関寺町の絵図で、元禄絵図をもとに、加筆・集成されたもの。元禄8年以降、江戸時代後期の上関寺町の構造を知る貴重な資料。   

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上関寺町絵図



水郷        柴田晩葉筆 1幅(受贈)

樹下網干図     柴田晩葉筆 1幅(受贈)

大笹に蛍図     柴田晩葉筆 1幅(受贈)

高砂        柴田晩葉筆 1幅(受贈)

旭日波涛図     柴田晩葉筆 1幅(受贈)

桜に雀図      柴田晩葉筆 1幅(受贈)

松林山水      柴田晩葉筆 1幅(受贈)

入江漁村図     柴田晩葉筆 1幅(受贈)

旭日波涛翔鶴図   柴田晩葉筆 1幅(受贈)

三井寺・瀬田唐橋図 柴田晩葉筆 1幅(受贈)

柴田晩葉色紙短冊絵葉書等資料  一括(受贈)

  

 柴田晩葉(1885−1944)は、山元春挙の門人。大津市新町の出身。文部省美術展覧会や帝国美術院展覧会で入賞を重ね、大津の気鋭の日本画家として地元で期待を集め、「十葉会」という後援組織が大津の名士たちによって組織された。本資料群は、晩葉の遺族によって収集されたもの。

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水郷 柴田晩葉筆

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樹下網干図 柴田晩葉筆

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大笹に蛍図 柴田晩葉筆



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高砂 柴田晩葉筆筆

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旭日波涛図 柴田晩葉筆

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桜に雀図 柴田晩葉筆



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松林山水 柴田晩葉筆

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入江漁村図 柴田晩葉筆

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旭日波涛翔鶴図 柴田晩葉筆



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三井寺・瀬田唐橋図 柴田晩葉筆

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柴田晩葉色紙短冊絵葉書等資料 一括



田家霽雪図 渡辺公観筆 1幅(受贈)

  

 渡辺公観(1878−1938)は、大津出身の日本画家。師の森川曽文が26歳の時に没した後、他の画塾に属さず、独立無所属系の画人として文部省美術展覧会出品をつづけ、幾度も入選を重ねた大津の重鎮画家。

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藤野家近現代学校関係資料


大津事件津田三蔵関係資料 一括(受贈)

  

 明治24年(1891)5月11日、当時、琵琶湖遊覧中であったロシア皇太子ニコライを警備中の巡査・津田三蔵が斬りつけた事件は、「大津事件」と呼ばれ、日本近代史上の著名な出来事として教科書にも掲載されている。本資料は、その津田三蔵が母親や兄弟、義弟などに送った自筆の書簡や、津田の滋賀県巡査志願書、勲章の褫奪(ちだつ)状など、事件前後の経緯が分かる貴重な資料群からなっている。

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津田三蔵滋賀県巡査志願書

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津田三蔵勲七等勲章褫奪状