大津市歴史博物館

博物館の活動紹介

第49回 博物館の新収蔵品について(平成28年度2期)

 博物館では、散逸しがちな地域の史料や文化財を積極的に収集・保存しています。今回は、平成28年度下期の新収蔵品を紹介します。



瀟湘八景図巻 月潭道澄筆 1巻(購入)

  

 近江八景の本歌である瀟湘八景を、室町幕府で高く評価された南宋の玉澗(ぎょっかん)様式で表現したもの。大らかで素朴な素人的運筆によって、簡略化された略筆山水画を描いている。
月潭道澄(げったんどうちょう・1636−1713)は、彦根出身の黄檗僧。峨山(がざん)と号す。独照性円の元に入門して共に長崎へ赴き、明から亡命してきた高僧、隠元隆g(いんげんりゅうき)の付き人となる。独照の禅の法を継承し、北嵯峨の直指庵2世となる。

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瀟湘八景図巻 月潭道澄筆



膳所藩主本多氏歴代寄進状 11通(購入)

  

 膳所藩主第9代本多康将(やすまさ)から第20代本多康穣(やすしげ)による、内畑・外畑、両村の氏神である春日大明神への神領5斗の寄進状。寛文6年(1666)から安政3年(1856)にいたる歴代11代の藩主の代替わりごとに発給されたもの。上包紙が付属するものが多い。  

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膳所藩主本多氏歴代寄進状



大津祭曳山協賛会記念扇子 15本(購入)

  

 大津祭協賛会が、祭礼の開催記念として制作した記念品の扇子。発足年の昭和29年から41年にかけて配付されたもので、原画は膳所の日本画家、疋田春湖等によって、毎年異なる曳山が描かれた。なお、大津祭の曳山全13基分が揃っている。各扇面の多くには、地元の名士による題字が揮毫されている。

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大津祭曳山協賛会記念扇子


下阪本柳町伊勢講神号 豪恕筆 附 文書一括 1幅(受贈)

  

 下阪本地区では、町単位での伊勢講が続けられてきたが、近年廃絶の傾向にあり、柳町でも近年、解散している。この講の神号軸(中央:天照皇大神、右:八幡大菩薩、左:春日大明神)は、天台僧豪恕の筆による。豪恕(ごうじょ・1733-1824)は、円頓菩薩戒(えんとんぼさつかい)を、百万人ともされる多くの人々に授けた高僧で、民衆の間で非常に人気があった。能筆家としても知られ、柳町に近い正法(しょうぼう)寺(下阪本一丁目)にも「豪恕塔」がある。地元に縁ある高僧によって揮毫された神号軸である。

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伊勢講神号


琵琶湖観光関係資料 13点(受贈)

  

 大正から昭和40年代までの琵琶湖の観光に関するパンフレットや地図。汽船会社が発行した鳥瞰図を用いたパンフレットや、大津市発行の戦前戦後の観光案内のほか、観光絵葉書などが含まれている。

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琵琶湖観光関係資料



船幸祭写真 20点(受贈)

  

 昭和45年頃に撮影された、建部大社船幸祭の様子。リバーサルフィルムで撮影された一連の写真には、瀬田川で行なわれる船(ふな)渡御(とぎょ)とともに、湖畔の街並みがカラーで記録されている。

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船幸祭写真


石山貝塚出土資料 一括(受贈)

  

 石山貝塚は、現在の石山寺駐車場一帯(石山寺三丁目)で確認された縄文時代早期の遺跡で、昭和20〜30年代にかけて数度の発掘調査がおこなわれた。貝塚は、南北約80m、東西約30mの範囲に広がり、厚さ約2mにもなる貝層が確認され、縄文土器、石器、貝製品、骨製品など多くの遺物が出土した。本資料は、この発掘調査時に出土した資料の一部で、故堅田(かただ)直(ただし)氏(帝塚山大学名誉教授)によって保管されていたものである。貝類、獣骨、押型文(高台寺(こうだいじ)式)や石山式の縄文土器などがあり、一部には「石山貝塚」と調査当時の注記がある土器片も含まれている。

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石山貝塚出土資料