大津市歴史博物館

展示・イベント

平成16年度


第36回 企画展
家族旅行のキロク・キオク
平成16年7月31日(土)〜8月31日(火)

 戦後の高度経済成長期は、人々の生活・暮らしといった日常レベルにおいて、大きな変化が起こった時代といえます。また、余暇を楽しむレジャーブームも訪れ、公共交通やマイカーを利用して、家族は周辺の行楽地に出かけるようになり、旅の思い出を作っていきました。
 大津でも、昭和30年代以降は、交通網が整備され、レジャーブーム・マイカーブームが到来し、社寺参詣や琵琶湖の湖上遊覧などの既存の観光資源に加えて、市内には観光・レジャー施設が次々と出来上がっていきました。本展では、家族旅行を中心とした休日を楽しむレジャーをテーマとして取り上げ、当時の記念品や写真などにより振り返りました。

第37回 企画展
回峰行と聖地葛川
平成16年10月6日(水)〜11月14日(日)

 大津市北部、比良山系の西に位置する葛川(かつらがわ)は、比叡山回峰行(かいほうぎょう)の聖地として、その歴史を重ねてきました。回峰行をはじめたとされる相応和尚(そうおうかしょう・831〜918)は、生身の不動明王を感得するため、葛川に分け入り厳しい修行の末、ついに三ノ滝で不動明王にまみえたと伝えられています。この厳しい修行の伝統は、天台宗の僧侶によって毎夏行われる葛川参籠(夏安居・げあんご)に伝えられており、明王院にはその信仰に由来する多くの文化財が残されています。また、葛川の豊かな山林資源をめぐって中世以来、周辺の村々と重ねられてきた相論(そうろん)や葛川の状況を伝える膨大な記録も明王院に残されており、日本中世史の貴重な史料群となっています。
 本展では、葛川明王院と深く係わる比叡山回峰行の伝統を紹介するとともに、聖地であるからこそ伝えられてきた明王院所蔵の文化財の数々、葛川明王院文書などにより、葛川がたどってきた歴史の一端を紹介しました。

第38回 企画展
近江の国府と郡衙 -発掘された古代の役所-
平成17年2月26日(土)〜4月17日(日)

 古代、中央政府は全国を六〇余の国・島に分け、その下に郡・郷(里)を置いて地方を治めました。そして、各国には国府を、郡には郡衙の各役所が設けられたと考えられています。また、道の整備を行い、駅を設置し交通の便を図りました。近江国は国内を東山道・東海道・北陸道のそれぞれの道が通り、また三関といわれる愛発関・不破関・鈴鹿関のすべてに関わるなど中央政府にとって重要な国でした。
本展では、近江国府や各郡の郡衙と考えられる遺跡について考古学による成果を紹介します。ここでは、墨書土器や硯類といった文字に関係する遺物など一般集落とは異なる特殊な遺物について展示します。また、国府・郡衙以外の官衙遺跡(駅家・郷倉など)についても最新情報を紹介しました。

ミニ企画展

第39回 ミニ企画展
高札
平成16年4月13日(火)〜5月16日(日)

 江戸時代、さまざまな法令を板書きした高札(こうさつ)が町や村に掲示されていました。本展では、その高札の掲示方法の変遷を、高札に残されたわずかな痕跡から紹介しました。

第40回 ミニ企画展
大津絵
平成16年5月18日(火)〜6月27日(日)

 大津絵は、東海道大津宿で売られていた土産物で、江戸時代を通じて爆発的な売れゆきとなりました。本展では「鬼の念仏」など、よく知られている作品に、初期の大津絵仏画も加え、大津絵の魅力を紹介しました。

第41回 ミニ企画展
大津の古文書4 尾花川の漁業文書
平成16年6月29日(火)〜8月8日(日)

 尾花川は江戸時代、幕府直轄領大津町に属する町でしたが、湖岸では大網(地引網)を曳く漁業の町でもありました。その盛衰を古文書で紹介しました。

第42回 ミニ企画展
江戸時代の旅
平成16年8月10日(火)〜9月12日(日)

 江戸時代の旅は困難もありましたが、すでに会員制の旅館ができており、旅の手引きや絵入りの案内書も出版されていました。庶民が味わった当時の旅の楽しさを、様々な資料で紹介しました。

第43回 ミニ企画展
大津祭の装飾品
平成16年9月14日(火)〜11月14日(日)

 近年、装飾品の新調が盛んに行なわれている大津祭の曳山。
 本展では新調される以前に、実際に使用され、現在は当館に保管されている見送り幕や胴幕など、11点を展示しました。

第44回 ミニ企画展
渡辺公観と日本自由画壇
平成16年11月16日(火)〜12月26日(金)

 大正8年(1919)、「文部省美術展覧会」が「帝国美術院展覧会」として、改組されたのを機会に、京都では「日本自由画壇」が結成され、自由な製作による在野の展示活動が展開されました。本展では、大津出身の渡辺公観(創立同人)を中心に、自由画壇の作家たちが展開した大正日本画の世界を紹介します。

第45回 ミニ企画展
大津の仏教文化5  寺誌・縁起
平成16年 1月6日(火)〜2月20日(日)

 日本の諸宗の源である比叡山延暦寺をはじめとした大寺院には、各寺院の草創建立に関わる縁起や、堂舎や仏像に関する史料が多く伝わります。本展では、今まであまり紹介されてこなかった史料を中心に、縁起・祖師伝記なども含めて展示しました。

第46回 ミニ企画展
近江八景 -浮世絵編-
平成17年 2月22日(火)〜4月10日(日)

 近江八景は、日本を代表する名所として、その美しい風光が江戸時代には様々な美術工芸品に表現されてきました。とりわけ、浮世絵版画においては、名所風景画として恰好の題材であったので、様々な浮世絵師が近江八景を手がけています。本展では、浮世絵風景画に見る多様な近江八景の世界を紹介しました。