大津市歴史博物館

展示・イベント

平成25年度-れきはく講座-

    
第549回れきはく講座
大津百町と大津町人
樋爪 修(本館館長)

平成25年4月6日(土) 14:00〜15:30

 大津百町の町人たちは、百町の代表者である惣年寄のもと、町組と呼ばれる七組のブロックに編成され、各々の組惣代の下に個別の町が所属するという組織が作られていました。また各町では、町年寄・五人組が町内をとりまとめ、町ごとに「町定」などと呼ばれる独自の規約が決められていたのです。本講座では、それら大津町人の組織と町内の生活の実態を、残された古文書や絵図などによって紹介します。

    
第550回れきはく講座
近江八幡市・西願寺の新発見仏像について
桑野 梓(大阪工業大学講師・関西大学CSAC非常勤研究員)

平成25年4月20日(土) 14:00〜15:30

 このたび、近江八幡市・市史編纂事業の文化財調査で、文治4年(1188)の制作年が記された阿弥陀如来坐像が発見されました。本像には、像内全面に阿弥陀如来を示す「キリーク」(梵字)が、びっしりと墨書されています。このような作例は滋賀県下では初出となり、全国的にも大変貴重で、講座では詳しい紹介と解説を行います。

    
第551回れきはく講座
近江の梵鐘について
古川 史隆(滋賀県教育委員会事務局文化財保護課)

平成25年4月27日(土) 14:00〜15:30

 滋賀県教育委員会では平成21年度より4か年をかけて滋賀県所在梵音具資料調査を実施し、県内各地に伝わる梵鐘の悉皆調査をおこないました。本講座では、各時代の梵鐘の特徴や製作に携わった鋳物師に関することなど、調査によって得られた成果を紹介します。あわせて、重要文化財や滋賀県指定文化財など、滋賀県内に伝来する名鐘の数々を紹介します。

    
第552回れきはく講座
西川吉輔−地域社会と明治維新−
山本 順也(近江八幡市文化観光課[市史編纂室]調査員)

平成25年5月4日(土・祝) 14:00〜15:30

 西川吉輔(きちすけ)は近江八幡の商家出身の国学者で、幕末から明治へという激動の転換期を地域社会から支えた人物です。吉輔の門下からは伊庭貞剛などが輩出しています。明治時代には日吉大社大宮司に就任、県内各地で精力的に教化活動を展開します。講座では、仏教勢力の反発や日吉大社内における旧来の神官勢力との確執など、地域社会における明治維新の困難さを、吉輔の活動から紹介します。

    
第553回れきはく講座
山元春挙塾と柴田晩葉
横谷 賢一郎(本館学芸員)

平成25年5月18日(土) 14:00〜15:30

 明治後期・大正の京都画壇で、竹内栖鳳と並ぶ重鎮として活躍した膳所出身の日本画家、山元春挙。彼のもとには多数の弟子が入門し、画塾・早苗会は、京都画壇でも有数の勢力を誇っていました。大津出身の柴田晩葉が、多くの弟子の中にあって、個性的な画風を貫き、なおかつ、中堅画家として活動できた、早苗会の土壌を探ります。

    
第554回れきはく講座
天保期琵琶湖の新田開発計画−「大久保新田」前史−
杉江 進(本館学芸員・副館長)

平成25年6月1日(土) 14:00〜15:30

  古来より、琵琶湖は周辺の人々に様々な恩恵を与えていますが、江戸時代の天保年間、琵琶湖の水位を減らすことで、琵琶湖周辺に新たに新田を開発しようとする計画が、江戸幕府によってたてられました。開発者の名前をとって「大久保新田」とよばれた、この新田開発計画について、その背景と開発にいたる経緯を解説します。

    
歴史博物館・日本フェノロサ学会共同開催(第555回れきはく講座)
西欧のアートと日本美術の伝統
神林 恒道(日本フェノロサ学会会長・大阪大学名誉教授)

平成25年6月8日(土) 14:00〜15:30

 文明開化をスローガンに欧化主義を掲げた明治政府の文化政策により、日本の伝統美術は危機に瀕していました。これを擁護しようとして立ち上がったのが、フェノロサと岡倉天心であったことはよく知られています。その一方でパリの万国博覧会を契機に、西欧では日本の絵画への関心が高まり、印象派の画家たちに大きな影響をあたえつつありました。このアートの世界におけるクロス現象をどのように見るか、映像を使ってわかりやすくお話ししたいと思います。

    
歴史博物館・日本フェノロサ学会共同開催(第556回れきはく講座)
フェノロサと三井寺法明院
新関 伸也(日本フェノロサ学会事務局長・滋賀大学教授)

平成25年6月15日(土) 14:00〜15:30

 東京大学に哲学教師として米国より招かれたお雇い外国人フェノロサは、日本美術の恩人といわれています。明治初期、廃仏毀釈や急激な西欧化により、伝統的な日本の美術は壊滅的な状態となりました。そのような惨状に対してフェノロサと岡倉天心は、日本の美術を保護するために活動を繰り広げます。その間、フェノロサがどのように三井寺法明院と関係し、没後に墓を建てるまでに至ったのかをやさしく解説します。

    
第557回れきはく講座
大練寺所蔵「十六羅漢図」について
鯨井 清隆(本館学芸員)

平成25年6月22日(土) 14:00〜15:30

 「羅漢」とは「阿羅漢」の略であり、古代インドにおいて仏教を修行する人の到達し得る最高位を指しました。その後中国を経て日本に伝わってくる過程で、釈迦の教えを護持する16人の弟子を「十六羅漢」と称して信仰するようになり、絵画・彫刻を問わず非常に多く制作されました。今回取り上げるのは三井寺町の大練寺に所蔵される重要文化財「十六羅漢図」です。本講座では、特に普段よく見ることのできない細部の画像を多く紹介し、鎌倉時代に制作された絵画を皆さんと一緒に見ていきたいと思います。

    
企画展「珠玉の大津絵」関連講座(第558回れきはく講座)
合羽摺りで大津絵を描こう! 【体験講座】
日本大津絵文化協会会員

平成25年7月27日(土) 14:00〜15:30

 大津絵は、1点もの肉筆絵画ですが、手軽に描けるように独自の技法が存在します。今回は日本大津絵文化協会の方々に教わりながら、型紙を使う「合羽摺り」の技法で、大津絵を描いてみましょう。型紙は、歴史博物館所蔵品と同じ型を使用します。

    
企画展「珠玉の大津絵」関連講座(第559回れきはく講座)
大津絵師の伝統・技・心
高橋松山(大津絵師 四代目松山)

平成25年8月3日(土) 14:00〜15:30

 生涯を大津絵に捧げた四代目松山氏の、大津絵師として受け継いできた伝統、職人として磨いてきた技術、そして大津絵に込めてきた心について語っていただきます。

    
企画展「珠玉の大津絵」関連講座(第560回れきはく講座)
対談:大津絵と趣味表具の世界
岡泰央(渇ェ墨光堂代表取締役)×横谷賢一郎(本館学芸員)

平成25年8月10日(土) 14:00〜15:30

 大津絵は同じキャラクターの作品が並んだ場合、作品自体では区別がつきません。ですから、コレクターたちは表具の趣向を凝らして作品自慢を競っていました。今回は日本を代表する文化財表具工房の主人と、大津絵表具の世界の楽しさや工夫について対談します。

    
ミニ企画関連講座(第561回れきはく講座)
本土決戦と滋賀−滋賀海軍航空隊と比叡山「桜花」特攻基地−
水谷 孝信(滋賀県立長浜北星高等学校教諭)

平成25年8月17日(土) 14:00〜15:30

 本土決戦は「幻」だったと言われます。しかしながらアメリカ軍は日本本土侵攻の「ダウンフォール作戦」を計画し、大本営も絶望的戦況の中で本土決戦の準備を進めていました。ただ日本軍のそれは人員・物資ともに不足したままでの無謀な作戦でした。そして、その動きは滋賀県でも同じだったのです。この矛盾に満ちた本土決戦体制構築の動きを、大津にあった滋賀海軍航空隊と比叡山「桜花」特攻基地を通して考えてみたいと思います。

    
ミニ企画関連講座(第562回れきはく講座)
滋賀県の空襲について
北村 美香(滋賀県平和祈念館学芸員)

平成25年8月24日(土) 14:00〜15:30

 滋賀県平和祈念館では、15年にわたる戦争の当時、県内にお住まいだった方、あるいは滋賀にご縁のあった方の戦争体験を記録してきました。昭和20年(1945年)に戦争が終わる3か月ほど前から、軍事施設や軍需工場、列車や駅などを襲った空襲がたびたびあり、多くの方が犠牲になりました。本講座では、たくさんの体験談の中から、県内であった空襲についてのお話を紹介します。

    
ミニ企画関連講座(第563回れきはく講座)
湖東の戦争遺跡を訪ねて【現地見学会】
樋爪 修(本館館長・学芸員)

平成25年8月31日(土) 9:00〜17:00 バスコース

 県下の戦争関係資料を多数所蔵、展示している東近江市の滋賀県平和祈念館を見学。また大正10年(1921)に完成した八日市陸軍飛行場跡や守護神として祀られた沖原神社、飛行機の避難場として布引丘陵に造られた掩体壕跡(えんたいごうあと)なども見学します。


 
ミニ企画関連講座(第564回れきはく講座)
江戸時代の堅田と居初家
鎌谷 かおる(神戸女子大学非常勤講師)

平成25年9月21日(土) 14:00〜15:30

 堅田は、古くから北国と京都を結ぶ湖上交通の拠点でした。そのため、舟運や漁業といった琵琶湖の諸生業において中心的な存在となり、その経済力と地理的環境から政治的にも重要視され、中世には自治都市として発展しました。一方、江戸時代に入ってからの堅田は、行政的には「村」となりました。かつて、自治都市であった堅田は、江戸時代の支配の枠組みの中で、どの様に変化したのでしょうか。今回は、堅田船道郷士居初家の古文書等を紹介しながら、江戸時代の堅田の支配の仕組みや、湖辺地域における位置づけ、生業等についてお話します。

    
ミニ企画関連講座(第565回れきはく講座)
堅田古絵図ツアー【現地見学会】
高橋 大樹(本館学芸員)

平成25年9月28日(土) 午後徒歩半日コース

 本現地見学会は、江戸時代の堅田を描いた古絵図を持って、現在の堅田をめぐる探索ツアーです。堅田藩堀田家の陣屋跡や舟入跡など、現在の地図と比べながら歩きます。今も残る町並みや、なくなってしまった景観を想いながら歩きます。どうぞ江戸時代の堅田入門ツアーにおつきあいください。

 
企画展記念講演会(第566回れきはく講座)
百人一首競技かるた"名人"として目指したもの
西郷 直樹 永世名人

平成25年10月20日(日) 14:00〜15:30

 平成11年の第45期名人戦で史上最年少で名人となり、平成24年1月の第58期名人戦まで14期連続で名人を務めた西郷直樹永世名人。数々の名勝負を繰り広げ、何度か挑戦者に追い込まれながらも、粘り強さと勝負強さで防衛を続けてきた西郷直樹永世名人が、競技かるた名人として目指したもの、名人戦を通じて学んだことなどを、過去の勝負も振り返りながらお話します。

 
企画展記念講演会(第567回れきはく講座)
百人一首歌仙絵の楽しみ
吉海 直人(同志社女子大学教授・時雨殿館長)

平成25年10月26日(土) 14:00〜15:30

 時雨殿の「百人一首手鑑」に僧体の院が4人も描かれているという特徴、また眠れる持統天皇の構図が「時代不同歌合」の斎宮女御を継承していること、狩野探幽がいかに「佐竹本三十六歌仙」の絵を応用しているか、斎宮女御から持統天皇・式子内親王、また小町から紫式部・相模という流れ、さらには百人一首かるた絵の典型として、崇徳院の畳、横向きの清少納言、蝉丸は坊主かなどをお話しします。

 
企画展関連講座(第568回れきはく講座)
動物・鳥類・花卉図鑑として楽しまれたかるた
横谷 賢一郎(本館学芸員)

平成25年11月3日(日・祝) 14:00〜15:30

 文学とは関係なく、札に描かれた絵を合わせるだけの絵合わせかるたの中には、博物学的な視点で花鳥などの動植物を題材にしたものがあります。18世紀前半に、高松藩主の松平頼恭が制作させた「鳥づくし歌留多」などは、その代表例であり、珍種を網羅した絵柄であることを考えると、たくさんの種名や品種をゲーム感覚で覚えることのできる博物図譜としての役割があったことが想定されます。 今回は、展示品を中心に、博物学的好奇心を刺激するかるたの世界を紹介します。

 
企画展記念講演会(第569回れきはく講座)
私を支えた競技かるた
渡辺 令恵 永世クイーン

平成25年11月10日(日) 14:00〜15:30

 小学生の頃からかるたを始め、昭和63年の第32期クイーン戦でクイーンとなって以来、平成14年1月の第46期まで通算14期クイーン位を続け、その他にも数々のタイトルを獲得して今も現役を続ける渡辺令恵永世クイーン。そのクイーン戦での思い出の勝負や、幅広い世代の選手との交流、全国各地のかるた愛好者と接して感じたことなどをお話します。

第570回れきはく講座
古墳の内部構造をさぐる―市内小野所在石神古墳群の横穴式石室をめぐって―
吉水 眞彦(大津市教育委員会文化財保護課技師)

平成25年12月7日(土) 14:00〜15:30

 古墳時代後期の6〜7世紀には群集墳が築かれるようになりました。市内には今も百穴古墳群や曼陀羅山古墳群など約1000基が残り、内部構造の大半は横穴式石室をもつものです。平面形が正方形、立面形がドーム型の石室は数多く分布しますが、他にも石神古墳群の中高式石室のように稀有なものもみられ、さまざまな石室の規模や構造の特徴から古墳の性格を考えます。

第571回れきはく講座
大津宮、藤原宮を支えた生産遺跡―山ノ神遺跡と石山国分遺跡―
田中 久雄(大津市教育委員会文化財保護課技師)

平成25年12月14日(土) 14:00〜15:30

 7世紀後半の近江国には大津宮がおかれ、壬申の乱後には大和の地、藤原宮で日本で初めて瓦葺の宮殿が建てられました。それらを支えた生産遺跡である山ノ神遺跡・石山国分遺跡をとおして、古代近江国の重要性を考えていきます。

第572回れきはく講座
日本絵画を読み解く
鯨井 清隆(本館学芸員)

平成26年1月11日(土) 14:00〜15:30

 美術を語る上で外せないのが絵画という媒体です。日本美術に限って言えば、銅鐸に刻まれた原始的なものから、絹の上に高価な絵の具をふんだんに使用したものまで様々なバリエーションが存在します。絵画作品で重要なのは、そこに何が描かれているのか、それが何を意味しているのか、という点です。本講座では、普段何気なく見ている絵画作品について、基礎的な知識を踏まえつつ、もう一歩踏み込んで、日本絵画をより深く読み解いていきたいと思います。

ミニ企画関連講座(第573回れきはく講座)
獅子・狛犬の基礎知識
伊東 史朗(京都国立博物館名誉館員・和歌山県立博物館長)

平成26年1月25日(土) 14:00〜15:30

 神社に参拝すると我々を出迎えてくれるのが「獅子」と「狛犬」です。大陸の霊獣に起源をもつ「獅子・狛犬」は、神を護るものとして神社にはなくてはならない像です。講座では、我が国に現存する古い作例から通観することでバラエティー豊かな姿を紹介し、その基礎知識を解説します。

第574回れきはく講座
仏像の耳の形―仏師が出してしまう癖―
寺島 典人(本館学芸員)

平成26年2月8日(土) 14:00〜15:30

 施主(クライアント)や檀那(スポンサー)の意向をうけやすい仏像の造形で、仏師が無意識に癖を表してしまう場所があります。それが「耳」です。本講座では鎌倉時代に運慶や快慶の造った像の耳の形を比較し、工房内における師匠と弟子の造像の様子を考えます。

第576回れきはく講座
膳所城下町・超マニアックツアー
樋爪 修(本館館長)

平成26年3月8日(土) 午後徒歩半日コース

 膳所・篠津・若宮八幡の各神社に残る旧城門や、藩主の菩提寺・縁心寺などを見学するほか、街なかにさりげなく残っている膳所城外堀の痕跡や、かつての湖岸にあった石垣の列、本多家の立葵紋の屋根瓦などを、古絵図や古写真、現在残る地形などを参考にしながら探し出します。

第577・579・582回れきはく講座〔全3回連続講座〕
大津で「こもんじょ」入門
高橋 大樹(本館学芸員)

平成26年3月9・16・23(いずれも日曜日) 14:00〜15:30

 毎年恒例の古文書入門講座(3回連続)です。今回は、この春に開催する企画展「湖都大津のこもんじょ学」とも連動させ、古代から近・現代までの古文書をテキストに、みなさんとご一緒に古文書の見方や読み解き方(くずし字読解も含む)に挑戦する講座です。入門者も達人も、初心にかえって大津の古文書を体験しましょう!

企画展関連講座(第578回れきはく講座)
中世の古文書にみる大津
下坂 守(京都国立博物館名誉館員)

平成26年3月15日(土) 14:00〜15:30

 大津には多種多様な古文書が数多く残されています。数だけでいえば、より多くの古文書を伝える地域はほかにもありますが、その多様性において大津の古文書は群を抜くものがあります。自然環境に恵まれたこの地で、自分たちの生活を守り抜くために、人々がいかに奮戦していたかを物語るものといえます。また、それとともに忘れてならないのが、大津に所在する数多くの寺社の存在です。敬虔な信仰を伝えるため僧侶や社司が身命を賭して守り続けた多くの古文書が大津の寺社に残ります。大津の中世の歴史をこの地に残る古文書を読み解くことで、いま一度新たな視点から見直します。

第580回れきはく講座
重要文化財・蘆花浅水荘と、古絵図でたどる粟津晴嵐から瀬田夕照 【現地見学会】
井上賢三(元NEC新日本電機社員)・横谷 賢一郎(本館学芸員)

平成26年3月21日(金・祝) 午後半日徒歩コース

 近江八景の中で、粟津晴嵐と瀬田夕照は、街道における情景です。 今回は、まず重要文化財の蘆花浅水荘を見学し、粟津松並木から瀬田唐橋までの旧街道をたどりながら、江戸時代の古絵図・絵画・古写真資料を多く用いて、現状との比較をしながら探訪します。

企画展関連講座(第581回れきはく講座)
石山寺校倉聖教とその修理
藤田 励夫(文化庁美術学芸課文化財調査官)

平成26年3月22日(土) 14:00〜15:30

 石山寺中興の祖である淳祐は学門研究に徹し、以来、石山寺は学問の寺として知られてきました。平安時代前期から院政期を中心とする校倉聖教1,925点は、一切経と共に校倉に収蔵されてきたもので、仏教史、国語学、美術史上においてたいへん重要なものです。これらは、淳祐の教学研究の伝統を引き継いだ学僧朗澄が中心となって集成したものと考えられており、現在、十数年にわたる平成の大修理が進められています。校倉聖教の魅力と修理について、お話しさせていただきます。