大津市歴史博物館

展示・イベント

平成12年度


第20回 企画展
20世紀のおもちゃ −北原照久コレクション−
平成12年8月1日〜9月3日

文明開化とともに、日本に入ってきたブリキのおもちゃは、第二次世界大戦中に、一時は国内生産を中断するものの、戦後、大津で製造されたブリキのジープが好評を博したことをきっかけに、昭和30年代には、輸出品としても最盛期を迎える。その後、ブリキ玩具は、昭和40年代を境に、プラスティックやビニール製へとその姿を変えてゆく。
本展では、20世紀を彩ったおもちゃのあゆみを、いまや世界的なおもちゃコレクターである、北原照久氏のコレクション約1000点を展示するとともに、大津で製造された戦後第1号のジープ玩具などを通じて大津のブリキ玩具製造の経過を紹介した。

開館10周年記念・文化財保護法50年記念企画展(第21回企画展)
古絵図が語る大津の歴史 
平成12年10月21日〜12月3日

かつて、歴史を語る第一の資料とされたのは古文書であった。しかし、最近新たに注目を集めている資料が絵図である。
大津市内には、鎌倉時代の有名な「葛川与伊香立庄相論絵図」(重文)をはじめとする社寺境内古図、町絵図などの地域の特色を巧みに描いた図、そして、膳所城の修復計画が記された図や琵琶湖の舟運や瀬田川浚えの図など、色彩豊かで興味深い内容の絵図が数多く残されている。
本展覧会では、古絵図に加え、関連する絵図や古文書を一堂に展示し、「絵図の見かた」に触れつつ、そこに盛り込まれた多くの情報を紹介。さらには現代の航空写真と比較し、大津の移り変わりとともに紹介した。

開館10周年記念特別公開(第22回企画展)
れきはく10年のあゆみ −秘蔵の名品一挙公開−
平成12年10月21日〜28日

歴史博物館が開館してから10年間で調査・収集した数多くの資料の中から、絵画、工芸、考古、歴史、民俗の各分野の資料を厳選して展示。秘蔵の未公開資料から、庶民生活に密着した興味深い資料までを一挙公開した。

開館10周年記念 不断念佛十八萬日大法会記念企画展(第23回企画展)
西教寺名宝展 
平成12年11月1日〜11月12日

大津市坂本の西教寺は、室町時代に真盛上人によって中興された、京都の法勝寺伝来の戒律と、比叡山黒谷の流れをくむ念仏の名刹である。本年は、真盛上人が始めた不断念佛の十八萬日大法会の年に当たる。これを記念して、重要文化財3点を含む、室町時代から江戸初期の西教寺伝来の寺宝、約30点を特別公開した。

開館10周年記念企画展(第24回企画展)
琵琶湖と水中考古学 
平成13年3月3日〜4月15日

近年、水中考古学は、調査方法や機材などの進歩により、世界各地で海底や湖底の遺跡や沈没船の調査が行なわれ、大きな成果をあげている。日本では、昭和34年(1959)に琵琶湖総合開発の一環として行なった、北湖の葛籠尾崎湖底調査の調査がきっかけとなって、水中考古学の調査が行なわれるようになった。
その後、琵琶湖では粟津湖底遺跡(大津市)、赤野井湾遺跡(守山市)、針江浜遺跡(新旭町)、長命寺湖底遺跡(近江八幡市)、多景島湖底遺跡(彦根市)など、湖に沈む遺跡を中心に貴重な遺構・遺物の発見が相次いでいる。
展覧会では、湖底に遺された遺跡がもつ多くの情報を通して、湖の歴史的な変遷や自然環境の変化などを紹介した。

第9回 ミニ企画展
宿場と名産 
平成12年4月11日〜6月4日

大津宿は江戸時代、東海道屈指の宿場町として栄えた。本展ではにぎわいを見せる大津宿の風景を、さまざまな屏風や浮世絵、名所図会などを中心に展示。また宿場で、旅人めあてに売られた、大津絵や大津算盤、御針所の看板などを展示し、当時の街道と旅の様子を興味深く紹介する。

第10回 ミニ企画展
大津絵の世界 
平成12年6月6日〜8月6日

大津絵は、江戸時代初頭の寛永年間(1624〜44)頃から描きはじめられ、江戸時代を通じて大津の代表的な名産であった。仏画から世俗画、そして道歌を書き込んだ作品など、さまざまに姿を変えながら、旅人相手の手ごろな土産物として親しまれた。今回は、収蔵品の中から、優品の数々を一堂に展示した。

第11回 ミニ企画展
大津の伝統行事1 
平成12年8月8日〜10月1日

現在の石山周辺は、工場や住宅が密集する地域となっているが、北大路の御霊神社では、伝統ある勧請祭が正月に行われている。神社境内と集落の外れに、大きなしめ縄を張り渡し、五穀豊穣と外部から災いが入ってこないよう祈る行事である。このように受け継がれてきた市内の伝統行事を、史料や写真などで紹介する。

第12回 ミニ企画展
上田上の古文書 
平成12年10月3日〜11月19日

古文書は一見むずかしく、とっつきにくいものだが、そこには多彩な歴史情報が盛り込まれている。
本展では、膳所藩領の農村地帯であった上田上の諸村のうち、牧村の古文書(田上郷土史料館所蔵)を取り上げ、村の物産情報、火事対策・太鼓踊りの記録など、昔の庶民生活の一端を紹介した。

第13回 ミニ企画展
牡丹江市寄贈コレクション 現代中国の水墨画と書 
平成12年11月21日〜12月17日

友好都市10周年を記念して、平成6年に開催された「牡丹江書画展」では、50点の出品作が大津市に寄贈された。
それらは現代日本画とはひと味もふた味も違う水墨画であるとともに、現代中国人の感性や文化をうかがう興味深いメディアともいえる。20世紀末、なお美術の本流として盛んな、本場中国の水墨画と書の世界を寄贈された作品の中から紹介した。

第14回 ミニ企画展
大津の仏教文化 
平成12年12月19日〜平成13年1月28日

大津は奈良、京都に次ぐ仏教文化の豊かな地域です。国宝級のものもあれば、人知れず眠る仏像もあります。本館では、その豊かな仏教文化遺産の一端を毎年1回の同展で紹介していく予定です。
今回は、木彫、塑像、せん仏など様々な素材の彫刻や、仏画、工芸、そして仏像の胎内にこめられていた納入品もあわせて展示いたします。

第15回 ミニ企画展
大津の遺跡シリーズ I 石山貝塚のくらし 
平成13年1月30日〜4月8日

市内には多くの遺跡がありますが、縄文時代を代表する遺跡としては石山貝塚が知られています。
この遺跡は、昭和10年代から30年代にかけて数回の発掘で、セタシジミなどが厚く堆積した貝層と、その中から埋葬された人骨・炉跡をはじめ、当時の人たちが使っていた土器などの道具類、食糧としていた動物の骨などが大量に見つかった。
展覧会では、土器・石器・骨角器などの中から、代表的な遺物を選んで展示した。