大津市歴史博物館

展示・イベント

平成14年度


第29回 企画展
よみがえった文化財 −近年の修復の成果−
平成14年5月1日(水)〜6月9日(日)

大津市は、指定文化財の所在件数が、京都市、奈良市に次いで第3位と多く、それらは、先人から大切に受け継がれてきたものばかりです。これら貴重な文化遺産ともいうべき文化財を、良好なかたちで後世に伝えるため、保存のための修復が定期的に実施されています。本展では、文化財への理解をより深める事を目的に、市内所在の国・県・市指定文化財のうち、近年、修復が完了した文化財を、絵画・彫刻・工芸・古文書の各分野から公開、修復の工程を写真パネルで紹介しました。

第30回 企画展
商売繁盛 広告博覧会 
平成14年7月27日(土)〜9月1日(日)

広告は、人々の関心をひきつけることが要求されます。そのため、人々の心をつかむために、流行や風俗が積極的に取り入れられ、また、広告自体が流行を作り出していきました。
本展では、ブリキのおもちゃやモーションディスプレーなど、近代以降の様々な分野のコレクターとして有名な北原照久氏のコレクションの中から、広告を中心に、引札やポスター・木製看板・街頭を賑わせたマスコットなど、さまざまな広告媒体や商業意匠を約500点展示。広告から当時の世相や風俗の移り変わりを紹介しました。
また、期間中は「街かどの広告展」と題して、大津の広告に関する資料を、博物館ではなく、街中の商店や展示施設、約30箇所に展示していただき、今も当時の面影を残す大津の町を散策していただきながら、大津の広告関係資料を紹介しました。

第31回 企画展
大津の小学校 −130年のあゆみ−
平成14年10月5日(土)〜11月10日(日)

平成14年は、大津市に小学校が誕生して130周年にあたります。その間、小学校は、大きな時代の流れに翻弄されながらも、地域の子供たちの心と体を育む場として大きな役割を果たしてきました。
本展では、明治以来の教育資料を展示するとともに、市内各小学校が地域とともに歩んできた歴史を紹介。また、子供たちの勉強に役立つようにと、地域の人々によって小学校に寄せられた資料(考古・民俗・歴史資料)も併せて展示しました。

第32回 企画展
大津事件 
平成15年2月27日(木)〜3月30日(日)

明治24年(1891)5月11日に発生した大津事件は、産声をあげたばかりの日本近代国家の、政治や司法制度に対する大きな試練でした。本展では、事件の中心的な資料である、凶器のサーベルや皇太子ニコライの血染めのハンカチを始め、津田三蔵関係の書簡など、未公開資料を多数展示するとともに、事件の経緯や、登場するさまざまな人物の事件の後も含めた動向を、写真パネルや新聞号外、地図などによって紹介しました。

第24回 ミニ企画展
大津の遺跡シリーズ2 滋賀里遺跡 
平成14年4月9日(火)〜6月9日(日)

滋賀里遺跡は昭和29年の発掘調査で初めて明らかになった遺跡で、その後に行われた湖西線建設に伴う発掘調査(昭和46・47年)により、縄文時代晩期の墓地跡と貝塚などが発見され、同時代を代表する遺跡としてよく知られています。墓地は土壙墓(どこうぼ)と甕棺(かめかん)、合わせて80基余りからなり、人骨も数例が残っていました。これらの遺構とともに、当時の土器や木製品などの生活用具類が大量に見つかっています。本展では、これらの出土品や遺構写真から、遺跡の姿を紹介しました。

第25回 ミニ企画展
新知恩院の十六羅漢図 
平成14年6月11日(火)〜7月14日(日)

大津市伊香立の新知恩院は、京都にある浄土宗総本山知恩院が、応仁の乱で伊香立の金蓮寺に疎開し、その後その近くに新たに建立された寺院です。京都に戻った後も寺院は残り、仏画を中心に今でも多くの寺宝が伝来しています。展示ではその中の1つ、大津市指定文化財の絹本著色十六羅漢図を展示しました。

第26回 ミニ企画展
近代大津の引札 
平成14年7月16日(火)〜9月8日(日)

明治から昭和(戦前)にかけて、商店では、色とりどりの引札(ひきふだ、宣伝チラシ)を作成し、得意先などに配っていました。それらの引札は、縁起をかついだめでたい図柄や、当時の世相をたくみに盛り込んだものなどがあり、眺めているだけで楽しく、また歴史の勉強にもなります。本展では、市内各地に残る引札などを紹介し、近代大津の商工業の活況を振り返りました。

第27回 ミニ企画展
大津絵 
平成14年9月10日(火)〜11月10日(日)

人の世の教訓を説く一方で、生真面目になりすぎず、ユーモラスにあふれた描きぶりで多くのファンを持つ大津絵。その屈託のない自由奔放な筆遣いからは、江戸時代の人々の気質が伝わってきます。
本展では、初期大津絵の神仏ものから、中期の世俗物、そして後期の道歌(どうか・教訓歌)入りの大津絵は無論、近代日本画家による個性あふれた大津絵作品を含め、収蔵品を一堂に展示。大津絵にあふれる、民画の魅力を紹介しました。

第28回 ミニ企画展
大津の仏教文化3 −石山寺の新発見資料−
平成14年11月12日(火)〜12月26日(木)

本シリーズでは、大津市内に伝わる豊かな仏教美術の一端を年に一回紹介するものです。今回は、石山寺の奈良時代の開基当初に造立された塑像本尊や脇侍の遺物(新発見のものを含む断片や、脇侍金剛蔵王の心木)を中心に、他像の塑像断片や江戸時代に本尊が開扉された時の古文書、そして『石山要記』等の寺誌史料など、未公開のものを含め、石山寺本尊に関連するものを展示しました。

第29回 ミニ企画展
江戸時代の古文書2 大津百艘船 
平成15年1月7日(火)〜3月9日(日)

豊臣秀吉の命により、大津城主浅野長吉は、大津を琵琶湖水運の拠点とするため、天正15年(1587)頃、大津を中心に坂本・堅田・木浜(守山市)などの諸浦の船持ちを集めて「大津百艘船」の船仲間を組織し、湖上交通の特権を与えました。この制度は、江戸時代にも受け継がれ、大津百艘船は湖上水運に重要な役割を果たすことになります。本展では、歴代の大津城主や大津代官が発給した大津百艘船の保護を定めた高札や関連の古文書により、琵琶湖の湖上水運の盛衰を紹介しました。

第30回 ミニ企画展
近江八景 
平成15年 3月11日(火)〜4月13日(日)

湖国を代表する景観として多くの作品に描かれた近江八景。本展では、自然と文学をこよなく愛した日本人の伝統的な趣向を物語る収蔵品の数々を、これまであまり展示されることのなかった作品を中心に紹介しました。