展示・イベント
平成27年度-れきはく講座-
- 開館25周年記念学芸員リレー講座@(第615回れきはく講座)
大津事件の全体像 ―事件発生から判決まで―
樋爪 修(本館館長)
平成27年4月25日(土) 14:00〜15:30 -
明治24年(1891)、警備中の巡査津田三蔵が、来日中のロシア皇太子ニコライに斬りつけた「大津事件」は、司法権の独立を守ったことで広く知られています。はたして、この評価は正しいのか。事件発生から判決までの間、政府、裁判所、司法省の動き、さらには明治天皇の役割など、謎の多い事件の全体像を、最新の研究成果によって紹介します。
- 開館25周年記念学芸員リレー講座A(第616回れきはく講座)
その仏像はいつ造られたの? ―作風論と構造論―
寺島 典人(本館学芸員)
平成27年5月2日(土) 14:00〜15:30 -
「文字も記録もない仏像をみて、なんでつくられた年代を判定することが出来るのだろう?」と思っているみなさん。その疑問にお答えいたしましょう。仏像は各時代に流行した作風や形式、さらには構造にのっとって造られているので、その約束を見極めればわかるのです。今回は、プロが普段行っている年代判定の極意のさわりをお話します。
- 開館25周年記念学芸員リレー講座B(第617回れきはく講座)
幕府石垣普請の系譜 -「穴太頭」から「石方棟梁」へ-
杉江 進(本館副館長)
平成27年5月9日(土) 14:00〜15:30 -
江戸幕府で城郭の石垣普請を担当したのは、坂本在住の「穴太頭(あのうがしら)」でした。ところが、元禄17年江戸へ下った彼らは、以後坂本に戻ることはなく、歴史の表舞台から姿を消します。かわって登場したのが、「石方棟梁(いしかたとうりょう)」の石屋久三郎なる人物でした。本講座では石屋久三郎の「発見」を通じて、石垣普請技術の変遷を考えてみたいと思います。
- 開館25周年記念学芸員リレー講座C(第618回れきはく講座)
大津絵を目利きする
横谷 賢一郎(本館学芸員)
平成27年5月16日(土) 14:00〜15:30 -
江戸時代、蕎麦一杯分の値段で買えた土産物キャラクター絵画の大津絵。本来は簡易仏画・風刺画・戯画であったものが、江戸後期には実利的な護符、さらに、大正期以降は、民芸・古美術と、その扱いが変化しました。それに伴い、類似商品や模造品が出回り、大津絵という絵画ジャンルを複雑なものにしています。今回は、それら複雑な大津絵を見分ける目利きポイントを具体的に解説します。
- 開館25周年記念学芸員リレー講座D(第619回れきはく講座)
大津算盤職人の近世・近代―古文書で読む組織・技術史―
高橋 大樹(本館学芸員)
平成27年5月30日(土) 14:00〜15:30 -
慶長17年(1612)、大津一里塚町の片岡庄兵衛は、明の算盤を改良して大津算盤を作り、以後、江戸時代を通じて、土産物としても全国へ出荷されました。本講座では、大津算盤職人に伝わった古文書を読み解きながら、これまで未解明であった組織や技術伝承の歴史についてお話しします。
- 開館25周年記念学芸員リレー講座E(第620回れきはく講座)
日本絵画を読み解くU
鯨井 清隆(本館学芸員)
平成27年6月6日(土) 14:00〜15:30 -
展覧会などで絵画を鑑賞する時に、予備知識のある・なしでは、受け取る情報量も格段に変わってきます。前回の講座では、日本絵画について画材や媒体などの観点からお話ししました。今回は、絵画を鑑賞する上で重要なポイントとなる、「そこに何が描かれているか(画題)」についてお話ししたいと思います。
- 開館25周年記念学芸員リレー講座F(第621回れきはく講座)
古写真探偵入門
木津 勝(本館学芸員)
平成27年6月13日(土) 14:00〜15:30 -
歴史博物館では、明治から昭和にかけて撮影された古写真が数多く所蔵され、順次データベース化を進めています。この作業で意外と大変なのが、写真の撮影年代や撮影場所の特定です。今回は博物館が所蔵する古写真を題材に、写真に記録されている情報を読み解くためのノウハウを紹介します。
- 開館25周年記念学芸員リレー講座G(第622回れきはく講座)
大津市内の古墳入門
福庭 万里子(本館学芸員)
平成27年6月20日(土) 14:00〜15:30 -
大津市内には、古墳時代の前期〜後期までの特徴ある古墳が数多く残されています。今回は、古墳にはどのような形や大きさのものがあるのかという基本的なことをお話ししながら、大津市内に残る古墳について紹介します。
- 開館25周年記念学芸員リレー講座H(第623回れきはく講座)
山王祭と周辺の祭
和田 光生(本館副館長)
平成27年7月18日(土) 14:00〜15:30 -
大津を代表する祭りとして、日吉大社の山王祭をあげることができます。この勇壮な祭礼が、周辺の祭礼にどのような影響を与えたかは謎ですが、各地の祭礼から、その可能性を考えてみたいと思います。
- 企画展「広重の旅」関連講座(第624回れきはく講座)
広重の浮世絵版画にみる様々な摺り
竹中 健司氏(竹中木版竹笹堂五代目摺師)・横谷 賢一郎(本館学芸員)
平成27年8月1日(土) 14:00〜15:30 -
歌川広重作品の復刻摺りも手掛ける京都の老舗木版摺り工房の主人に、広重作品に関する版木の特徴や摺りの工夫、また現代では、調達が難しくなった摺師独特の道具などを解説していただきます。
- 企画展「広重の旅」関連講座(第625回れきはく講座)
実演!摺師による浮世絵版画の多色摺り
森 愛鐘氏(竹中木版竹笹堂摺師) ・横谷 賢一郎(本館学芸員)
平成27年8月8日(土) 14:00〜15:30 -
歌川広重作品における多色摺り木版画においては、様々な摺りの技法が用いられています。これらの技法を、京都の老舗木版摺り工房の摺師に実演してもらい、繊細で独特な摺りの技法を解説していただきます。
- ミニ企画展関連講座(第626回れきはく講座)
戦前から戦後の学校教育
樋爪 修(本館館長)
平成27年8月15日(土) 14:00〜15:30 -
昭和20年8月15日の終戦の日を挟んで、日本の学校教育の制度や内容は大きく変わりました。戦前から戦中にかけての教育は「御真影」や「教育勅語」に代表されますが、戦後には、GHQの指導を主とする教育の民主化が図られます。本講座では、戦前の「国定教科書」や、戦後の「墨塗り教科書」、折りたたみ式の「暫定教科書」などを素材に、子どもたちが体験した激動の時代の学校教育を紹介します。
- 大津歴博・フェノロサ学会共同開催(第627回れきはく講座)
フェノロサは京都の図案本を見たか? @
スコット・ジョンソン氏(関西大学名誉教授)
平成27年8月29日(土) 14:00〜15:30 -
明治後期には、京都の染織業界の需要によって、友禅等の図案本(デザインブック)が木版摺りで盛んに出版されました。この時期に日本を訪れていたフェノロサも注目したであろう図案本についてお話します。
- 大津歴博・フェノロサ学会共同開催(第628回れきはく講座)
フェノロサは京都の図案本を見たか? A
スコット・ジョンソン氏(関西大学名誉教授)
平成27年9月5日(土) 14:00〜15:30 -
1896年の訪日時には、フェノロサは妻と共に京都の藝艸堂(うんそうどう:京都の木版摺りの老舗出版社)の近くにも宿泊していたとみられ、この時に図案本との出会いがあった可能性があります。フェノロサたちが京都で何を見たのか、その可能性についてお話します。
- 第629回れきはく講座
道端の石碑に魅せられて
伊東 宗裕氏(京都市歴史資料館専門員)
平成27年9月26日(土) 14:00〜15:30 -
大津市札の辻に「大津市道路元標」という小さな石碑があります。同じようなものは全国に分布しています。ひとつひとつを見てもあまり風情のあるものではないですが、数多く調べていくうちに、いつしか数が質に転化し、歴史の材料になります。今回は、道路元標や天皇陵参拝道標、京都市観光課建立道標、境界石などの石碑の数々をご紹介します。
- 第630回れきはく講座
【現地見学会】大津祭宵宮 まち散歩
和田 光生(本館副館長)、木津 勝(本館学芸員)
平成27年10月10日(土) 午後半日徒歩コース -
大津祭の宵宮曳きや各曳山町内の宵宮飾りなど、祭りの雰囲気に包まれた大津町を見学します。本祭とは異なる、各曳山の宵宮用の装飾など、この日しか見られない大津祭の楽しみ方を紹介します。
- 企画展「比叡山―みほとけの山―」関連講座(第631回れきはく講座)
比叡山の歴史―その特質と教え―
武 覚超氏(比叡山求法寺住職、叡山学院教授)
平成27年10月17日(土) 14:00〜15:30 -
比叡山は、伝教大師最澄(766〜822)によって開かれ、後の鎌倉時代には各宗各派の祖師・高僧を数多く輩出したので、日本仏教の母山と呼ばれています。本講座では、比叡山仏教の基礎を築いた祖師方を紹介した上で、その特質と教えについて論究をすすめていきます。
- 企画展「比叡山―みほとけの山―」関連講座(第632回れきはく講座)
比叡山と近江
木村 至宏氏(成安造形大学近江学研究所長)
平成27年10月24日(土) 14:00〜15:30 -
日本の宗教文化の聖地比叡山の存在は、日本の歴史文化の構築のうえにおいて、大きな影響を及ぼしてきました。一方、大湖琵琶湖をもつ近江も、比叡山と深い相関関係を有してきました。ここでそのかかわりの諸相について、年代を追って探ってみたいと思います。
- 企画展「比叡山―みほとけの山―」関連講座(第633回れきはく講座)
比叡山麓の古代・中世―結界・里坊―
西口 順子氏(相愛大学名誉教授)
平成27年10月25日(日) 14:00〜15:30 -
比叡山の山上では僧が修行生活を送り、国家や檀越のための仏事や修法、法会がおこなわれ、山下の結界の外縁には、病気の老僧のための寺庵や僧が老母をみとる尼庵があり、山上の行事や堂塔の修理、僧の生活など運営にかかわる人びとが住んで、聖と俗の交わる聚落がひろがっていました。ここでは古代・中世の比叡山麓東坂本を中心にみていきます。
- 企画展「比叡山―みほとけの山―」関連講座(第634回れきはく講座)
比叡山延暦寺根本中堂の薬師如来像とその模刻
西木 政統氏(東京国立博物館アソシエイトフェロー)
平成27年10月31日(土) 14:00〜15:30 -
比叡山延暦寺の根本中堂には、最澄がみずから刻んだとされる薬師如来像が伝わります。天台宗の開祖にかかわる尊像として篤い信仰を集め、その模刻も盛んにおこなわれました。どのような姿だったのかを模刻を手がかりに、考えてみたいと思います。
- 企画展「比叡山―みほとけの山―」関連講座(第635回れきはく講座)
横川の元三大師良源とその信仰
加藤 賢治氏(成安造形大学近江学研究所研究員)
平成27年11月7日(土) 14:00〜15:30 -
元三大師良源は、大火によって荒廃していた延暦寺の復興や、僧侶の規律の粛正などの改革を行ったことから、比叡山中興の祖といわれています。それらの偉業を背景として、豆(魔滅)大師、角大師、鬼大師などの別称とともに、お大師さまと親しみを込めた呼び名で全国に広がる民間信仰が存在します。また、三十三観音の化身、おみくじの創始者など、良源を取り巻く伝承を取りあげるときりがありません。伝承の一部を紹介しながら、元三大師の魅力に迫ります。
- 企画展「比叡山―みほとけの山―」関連講座(第636回れきはく講座)
比叡山の仏画について
宇代 貴文氏(比叡山延暦寺国宝殿学芸員)
平成27年11月14日(土) 14:00〜15:30 -
最澄の開創以来、比叡山からは円仁・円珍といった高僧や鎌倉仏教の宗祖が輩出され、法華経を中心に密教・禅・浄土教など多彩かつ独自の教義・文化が生み出され、日本仏教の母山、一大聖地として今日まで発展してきました。本講座はバラエティに富んだ比叡山仏教の一端を、仏画などの美術作品を通じて紹介するものです。
- 企画展「比叡山―みほとけの山―」関連講座(第637回れきはく講座)
比叡山と神々
嵯峨井 建氏(京都國學院講師)
平成27年11月15日(日) 14:00〜15:30 -
仏教の母山と呼ばれた比叡山、最澄はこのお山に入り延暦寺建立の基を打ち立てました。「我が立つ杣に冥加あらせたまえ」と詠い、山修山学―山の仏教を開きましたが、最澄の入山以前、すでにヒエの神の坐す神の山でもありました。こうした前史と、その後の祖師たちが神々とどう向き合い、日吉をはじめ多くの神々を山上山下にまつったかを明らかにしていきます。
- 企画展「比叡山―みほとけの山―」関連講座(第638回れきはく講座)
浄土往生と阿弥陀の造形
三宅 久雄氏(元奈良大学教授)
平成27年11月21日(土) 14:00〜15:30 -
極楽浄土への往生は、平安時代中期、比叡山横川の恵心僧都源信がその方法を説いたことにより、盛んな信仰を集めました。そして臨終の際、阿弥陀さまに迎えに来てもらうことを切に願うようになります。阿弥陀三尊像の姿形は、そうした人々の心をどのように反映していったかを見ていきます。
- 第639回れきはく講座
【現地見学会】近江国府跡を歩く
福庭 万里子(本館学芸員)
平成27年11月28日(土) 午後半日徒歩コース -
近江国府に関連する遺跡を中心に、瀬田近辺の史跡を歩いて巡ります。壬申の乱の舞台となった瀬田橋、史跡整備が進む近江国庁跡を始め、周辺の神社や史跡などを見学します。
- 第640回れきはく講座
【現地見学会】江戸時代の村を歩く-和邇・小野編-
高橋 大樹(本館学芸員)
平成27年12月5日(土) 午後半日徒歩コース -
江戸時代の和邇・小野を含めた周辺の村々は、「和邇九ヶ郷」と呼ばれ、村政や生業、祭礼などあらゆる面でつながりをもっていました。今回は、和邇・小野の江戸時代・明治時代の古地図を持って、和邇宿や周辺の村々の景観を考えながら、ご一緒に歩いてみたいと思います。
- 第641・642・643回れきはく講座〔全3回連続講座〕
読解挑戦!大津の中・近世の古文書
高橋 大樹(本館学芸員)
平成28年1月23日・30日・2月6日(土) 14:00〜15:30 -
恒例の古文書入門講座(3回連続)です。今回は、第1回目に大津に残る鎌倉〜室町・戦国時代の中世文書の読み方・観方、第2回・第3回目に江戸時代の職人関係文書や地方文書をテキストにして、みなさんとご一緒にくずし字読解に挑戦してみたいと思います。
- 第645回れきはく講座
【現地見学会】坂本の史跡をめぐる
樋爪 修(本館館長)
平成28年3月12日(土) 13:00〜17:00(予定) -
かつて上坂本村と呼ばれた地域を対象に、神社や町並み、道標や路傍に残された史跡などを探検し、参加された皆さんと「新たな発見」をする喜びを分かちあいたいと思います。〔定員50名〕
- 国指定重要無形民俗文化財「大津祭の曳山行事」指定記念連続講座(第646回れきはく講座)
曳山のかたち
村田 信夫 氏(OFFICE萬瑠夢代表)
平成28年3月26日(土) 14:00〜15:30 -
大津市教育委員会では平成24年から3年間、大津曳山祭総合調査を実施し、その成果から、本年度、国の指定を受けることになりました。そこで、この調査に行った方々が大津祭曳山の魅力を語る連続講座を開催します。この講座では、建築史の立場から曳山の構造的な特徴について解説します。また他の曳山修理の課題から、大津祭曳山の今後のあり方にも言及します。