大津市歴史博物館

展示・イベント

平成19年度-土曜講座・講演会-

平成19年4月

第368回土曜講座(企画展関連講座)
比良山の「やま」の祭り 講師:小栗栖健治(兵庫県立歴史博物館館長補佐)
平成19年4月14日(土) 13:30〜15:00

 名勝「近江八景」のひとつに数えられる比良山系は、かつて山岳宗教が栄え、多くの寺社が建立されていたという。では、山麓に暮らす人々の生活と比良山系はどのように結びついていたのか。荘園、神社、祭り、信仰といった観点から、個性豊かな比良山系の文化的風土を紹介してみます。

第369回土曜講座(古文書講座)
手紙を読み解く 講師:伊東宗裕(京都市歴史資料館担当課長)
平成19年4月28日(土) 13:30〜15:00

 古文書の解読で一番むずかしいのが「手紙」です。手紙は多くの人に読まれることを前提にしていないので、我流のくずしで書かれるからです。でもあきらめてはいけません。手紙を解読するにもコツがあります。今回は大津ゆかりの人々の手紙を素材に、手紙の解読の仕方を楽しく紹介します。


平成19年5月

第370回土曜講座(ミニ企画展関連講座)
大津絵を描こう 講師:四代 高橋松山(大津絵師)および松楓会のみなさん
平成19年5月3日(祝・木) 午前の部10:00〜11:30 午後の部13:30〜15:00 定員各回20名

 大津絵団体・松楓会との共催講座です。大津市無形文化財技術保持者・高橋松山氏からご指導をいただき、伝統的な描き方で、大津絵を描いてみます。当日は松楓会の方たちが助手として、参加者の制作を丁寧に補助してくださいます。(当日は、松楓会のみなさんによる大津絵展も開催されています。)

第371回土曜講座(ミニ企画展関連講座)
大津での大津絵研究−片桐修三と柳宗悦− 講師:和田光生(本館学芸員)
平成19年5月12日(土) 13:30〜15:00

 大津絵を世に問うたのは柳宗悦の『初期大津絵』です。民芸運動を主導した柳はその生涯のなかで大津絵に関する著作や論文を多く残しています。その研究を支えたのが片桐修三で、地元大津にあって大津絵普及の活動を行いました。講座では、片桐の足跡を追い、大津における大津絵研究の軌跡を検討します。


平成19年6月

第372回土曜講座(古文書講座)
街道と宿場の資料を読む-大津宿から草津宿へ- 講師:八杉淳(草津宿街道交流館副館長)
平成19年6月2日(土) 13:30〜15:00

 江戸時代の東海道大津宿や草津宿、そして琵琶湖の湖上の渡しとして、旅人に利用された大津〜草津間の「矢橋の渡し」などに関する資料を読み、当時の宿場のすがたや実際の旅の様子を探ります。

第373回土曜講座
近江の観音信仰と説話 講師:横田隆志(神戸大学大学院人文学研究科専任講師)
平成19年6月9日(土) 13:30〜15:00

 湖国近江は観音信仰が特に盛んな地域の一つです。それは、近江の観音にまつわる説話が『今昔物語集』や『石山寺縁起』『観音冥応集』をはじめとする数々の文学作品に伝えられていることからもうかがえます。本講座では、古代から近世にいたる近江の観音伝承を取り上げ、その特質や魅力にせまります。

第374回土曜講座
仏像のコスチューム 講師:山崎隆之(愛知県立芸術大学美術学部名誉教授)
平成19年6月16日(土) 13:30〜15:00

 仏像には、如来、菩薩、明王、天の4種類があり、それぞれに意味・形が異なります。服装では、如来は1枚の長い布をサリーのように巻き、菩薩は巻きスカート姿に各種の装身具を付け、明王は菩薩とほぼ同じ武器を持ちます。天は、役目によってさまざまですが、武神は鎧を着ています。講座では、4種の衣装の着付けを実演し、仏像理解の第1歩としたいと思います。

第375回土曜講座(ミニ企画展関連講座)
日吉大社の源流と山王祭 講師:嵯峨井建(下鴨神社禰宜)
平成19年6月23日(土) 13:30〜15:00

 日吉大社は古事記にも記された古社で、山の神をまつる仏教以前の社でした。その後、伝教大師が入山するにおよんで神仏習合化がすすみ、とくに山王祭は延暦寺の力を得て発展し、その神輿振りは有名です。こうした多彩な祭を通して、日吉大社および山王祭の当初の姿をたどります。


平成19年7月

第376回土曜講座(ミニ企画展関連講座)
滋賀県指定文化財「大津事件関係資料」について 講師:樋爪修(本館学芸員)
平成19年7月21日(土) 13:30〜15:00

 現在、滋賀県立琵琶湖文化館に所蔵されている「大津事件関係資料」から、津田三蔵所用のサーベルや血染めのハンカチ、ニコライが敷いて座った座蒲団、さらには尋問調書などの関係古文書に焦点を当て、今に残る生々しい資料群からみた大津事件の意味を明らかにします。。

第377回土曜講座(ミニ企画展関連講座)
大津事件秘話・津田三蔵と津田家 講師:樋爪修(本館学芸員)
平成19年7月28日(土) 13:30〜15:00

 津田三蔵の生まれた津田家は、藤堂藩の御典医をつとめた家柄であったが、江戸詰めの父・津田長庵は事情があって隠居を申し付けられ、津田三蔵も家族とともに伊賀上野に転居しました。本講座では、幕末から明治初期にかけての、津田三蔵と津田家の波乱にとんだ運命を、新資料などによって紹介します。


平成19年9月

第378回土曜講座(古文書講座)
古文書学習の裏ばなし 講師:高島幸次(夙川学院短期大学教授)
平成19年9月1日(土) 13:30〜15:00

 歴史の醍醐味は、単なる想像の世界ではなく、「史料の裏付け」によって「史実に肉薄」するところに生まれます。通常の講座では、その「史実に肉薄」の様子をお話することが多いのですが、今回は、その前段階の「史料の裏づけ」をとるために、研究者はどのように苦労しているのかについて、その裏話を紹介します。

第379回土曜講座(ミニ企画展関連講座)
園城寺と葛川明王院の建築修復について 
講師:菅原和之(滋賀県教育委員会文化財保護課副主幹)

平成19年9月8日(土) 13:30〜15:00

 保存修理工事を実施中の国宝園城寺金堂、重要文化財明王院本堂について、園城寺金堂の現場からは、千年以上の歴史を持つ檜皮葺による屋根の葺き替え修理について、明王院本堂の現場からは、約300年前の建立時の姿に建物を蘇らせる復原調査について、解体および施工中の写真を用いながら解説します。


平成19年10月

企画展記念講演会
関ヶ原合戦と大津籠城 笠谷和比古(国際日本文化研究センター教授)
平成19年10月13日(土) 13:30〜15:00

 徳川家康と石田三成が雌雄を決した天下分け目の関ヶ原合戦。徳川軍(東軍)を勝利に導いたのは、西軍の進撃を大津でくいとめた大津城での決死の籠城戦でした。講演会では、関ヶ原合戦の全貌と、大津籠城のありさまを、様々な資料によって明らかにします。


企画展関連イベント
国友火縄銃実演 
実演:国友鉄砲隊のみなさん

平成19年10月28日(日) 午前の部10:30〜11:30 午前の部13:30〜14:30

 戦国時代の戦いのスタイルは、日本に渡来した火縄銃によって革命的な変化を遂げました。当日は、鉄砲鍛冶の里である国友(長浜市)から鉄砲隊をお迎えし、火縄銃の実演を行うとともに、実演後、火縄銃をまじかに見学する時間も設けます。



平成19年11月

企画展「戦国の大津」関連講座(第381回土曜講座)
トークバトル! 大津の城の謎に迫る 
パネラー:樋爪修(本館学芸員)・吉水眞彦(大津市埋蔵文化財調査センター所長)・青山均(本館学芸員)
コーディネーター:杉江進(大津市文化財保護課副参事)

平成19年11月3日(土・祝) 13:30〜16:00

 膳所城にくらべ、坂本城や大津城は、いまだ謎につつまれた部分が多くあります。坂本城の天主はどのような構造だったのか。大津城の外堀は、それほどまでに巨大だったのか。それらの謎を、発掘調査の立場、古文書研究の立場から、意見を戦わせることにより明らかにしていきます。はたして真実は明らかになるのか。参加者も巻き込み、ホットな論争をくりひろげます。もちろん高みの見物気分のご参加も大歓迎です。


第382回土曜講座
近江のスポーツ史 
講師:玉置通夫(毎日新聞大阪本社編集委員)

平成19年11月24日(土) 13:30〜15:00

 近江の文化財に関する論考や研究は膨大ですが、スポーツの分野に焦点を当てた研究は極めて少なく、県史や各市史などにも、スポーツの記述は乏しいといわざるを得ません。しかし、スポーツも文化の一つであり、市民生活とともに歩んできた歴史があります。本講座では、近江のスポーツについて、社会生活とのかかわりから紹介します。



平成19年12月

第383回土曜講座
近江の仏像14 五大明王 
講師:津田徹英(東京文化財研究所企画情報部広領域研究室長)

平成19年12月1日(土) 13:30〜15:00

 仏像を尊名別に解説するシリーズの第14回目。今回は純粋密教の主役である五大明王をとりあげます。不動明王を主尊として、その周りを四体の明王が取り囲む姿は、曼荼羅そのものの美しさを伝えます。本講座では、近江や近隣を中心とした五大明王の遺例を通じて、その造像と信仰の実態にせまります。


ミニ企画展関連講座(第384回土曜講座)
崇福寺の発掘・論争、そして今 
講師:講師:中西常雄(元大津市立下阪本小学校教諭)

平成19年12月8日(土) 13:30〜15:00

 滋賀里山中にある寺院跡は、現在、崇福寺と梵釈寺の跡であると言われています。それにいたるまでの発掘やそのエピソード並びに論争を紹介し、上高砂遺跡出土の墨書土器から崇福寺と上高砂遺跡との関係について探っていきます。



平成20年1月

第385〜387回土曜講座
古文書解読講座 初級編【3回連続講座】 講師:樋爪修(本館学芸員)
平成20年1月19日・26日、2月2日 13:30〜15:00

 古文書といえば、ミミズがはったような文字で、どっちが上か下かも分からない。でも何が書いてあるか興味があるとお考えの皆さんに、初歩からの古文書解読講座を開催します。講座では、まず古文書に対する恐怖感を無くすため、古文書の楽しい眺め方(解読なし)について紹介。次に古文書独特の言い回しを勉強しながら、実際に文字の解読にチャレンジ。最後に芭蕉の書簡や浮世絵を使い、そこに書かれた強烈な癖字や絵に隠された文字の謎解きなどに挑戦していただきます。


平成20年2月

ミニ企画展関連講座(388回土曜講座)
近世明王院の年中行事 
講師:和田光生(本館学芸員)

平成20年2月16日(土) 13:30〜15:00

江戸時代後期、明王院で行われていた年中行事を紹介します。夏の太鼓回しは有名ですが、この霊場では、江戸時代それ以外にも様々な行事が営まれていました。ここでは、その一端を資料から考えます。


平成20年3月

ミニ企画展関連講座(389回土曜講座)
山間の霊場−近江の事例から− 
講師:和田光生(本館学芸員)

平成20年3月1日(土) 13:30〜15:00

明王院をはじめ、近江の大小河川の源流には、霊場と考えられる寺院や神社が存在します。そこに伝承されてきた様々な行事や芸能から、これらの霊場に対する信仰の背景を考えます。

第390回土曜講座
近江の仏像15 四天王
講師:P谷貴之(神奈川県立金沢文庫学芸員)

平成20年3月8日(土) 13:30〜15:00

仏菩薩を守護する四天王。身体の色の違い、静と動、阿吽、左右対称・非対称など、四体それぞれ特色をもちながらも統一的な空間美をつくり、仏教の荘厳を表します。今回は四天王の歴史と魅力に迫ります。

第391回土曜講座
刀剣の魅力
講師:深田一郎(神宮司庁文化部【神宮徴古館】学芸員)

平成20年3月16日(日) 13:30〜15:00

日本美の極みともいわれる刀剣は、実戦用でもあり神への奉納品でもありました。今回は、刀剣の見方について、伊勢神宮に奉納された刀剣を中心に、近江の刀鍛冶を紹介しながら、わかりやすく解説します。

企画展「楳亭・金谷」関連講座(第392回土曜講座)
俳人と文人画家−紀楳亭を中心に−
講師:伊藤太(京都府立山城郷土資料館資料課主任)

平成20年3月22日(土) 13:30〜15:00

蕪村の門人であった紀楳亭は、画壇だけでなく、俳人たちとも親しく交遊していました。楳亭画の集成である『九老画譜』は、各画に現役俳人の句が入る画期的な絵俳書です。今回は、楳亭の人柄を物語る俳諧を彼の書状を読み解きながら、当時の俳諧の世界を紹介します。

企画展「楳亭・金谷」関連講座(第393回土曜講座)
横井金谷について
講師:上野良信(滋賀県立琵琶湖文化館学芸専門員)

平成20年3月29日(土) 13:30〜15:00

破天荒の画家横井金谷には、彼の半生を面白おかしく綴った『金谷上人一代記』があります。そこには、彼のエピソードや見聞録が満載です。名物男であった金谷の事績を作品と伝記から紹介します。


ふるさと大津歴史教室(現地見学会)

ふるさと大津歴史教室
壷笠山城とその周辺 
平成19年5月19日(土) 半日コース

 本年度秋季企画展「戦国の大津―天下統一の夢・坂本城・大津城・膳所城―」の開催に先行して、坂本の山手にある壷笠山城やその周辺にある遺跡などを徒歩でめぐります。【健脚コース・山道を歩きます】


ふるさと大津歴史教室
水口の城下町を訪ねて 
平成19年6月30日(土) バス1日コース

 本年度秋季企画展「戦国の大津―天下統一の夢・坂本城・大津城・膳所城―」の開催に先行して、水口城や東海道の宿場町である水口宿の町並みを散策します。


ふるさと大津歴史教室
葛川谷の文化財を訪ねて 
平成19年9月15日(土) バス1日コース

 ミニ企画展「匠の技を知る―園城寺と葛川明王院の保存修理現場から―」の開催にあわせ、明王院の保存修理現場の見学を中心に、葛川・朽木の史跡をめぐります。


ふるさと大津歴史教室
宇佐山城を探る 
平成19年10月20日(土) 徒歩午前半日コース

 宇佐山城は戦国時代、織田信長に仕えた明智光秀や森可成が立て籠もった山城で、近江神宮の背後にある宇佐山(標高336m)の山頂には、今も石垣が随所に残されています。当日は、近江神宮時計博物館見学の後、宇佐山に登り、本丸跡や石垣を見学します。健脚コース(山道を登ります)。



ふるさと大津歴史教室
膳所城跡と城下町 
平成19年11月10日(土) 徒歩1日コース

 膳所城跡や城下町の寺院・神社・町並みなどを一日かけてじっくり見学します。膳所城の城門が移築されている膳所神社、篠津神社の表門(いずれも重要文化財)、膳所藩関係のめずらしい資料を展示している膳所藩資料館、藩主の菩提寺縁心寺などを見学。城下町には古い町並みも残されており、一日お歩きになれば、参加された皆さんは、膳所城の「ものしり博士」になること間違いありません。