大津市歴史博物館

展示・イベント

中世


武士の台頭

 中世は、古代の天皇や公家に代わり、武士がみずからの武力を背景に政権を担うようになった時代である。源平の戦いに勝利した源頼朝が鎌倉幕府を樹立。また足利尊氏は鎌倉幕府を倒し、室町幕府を建てるが、その時代の初期は、尊氏と後醍醐天皇との確執を契機に北朝と南朝が並立する「南北朝時代」とも称される。中世はまさに戦乱の時代であり、大津もまた、その戦乱の渦に巻き込まれることになった。


庄園の展開

 中世になると、有力社寺や貴族・武士等を領主と仰ぐ庄園(荘園)が各地に広がっていった。そして力を持った庄民たちは、生活を維持あるいは拡張するため、しばしば領境を侵犯し、深刻な相論が引き起こされることになった。彼ら庄民の精神的なつながりは、地域の神社に対する信仰として、より強固なものとなっていった。


観音信仰

 観音信仰は平安時代の末法思想などに始まるが、平安末期には、観音菩薩が三十三身に化身して衆生を救うという信仰により、西国三十三所観音巡礼が成立する。応保元年(1161)、三井寺(園城寺)の覚忠が33カ寺を75日かけて巡拝したのは、その早い例であった。広く一般の人々に普及するのは室町時代に入ってからのこと。そして江戸時代になると、信仰から観光へとその姿を変えていき、札所の観光的な解説書なども普及していった。

<西国三十三所観音巡礼の札所>
1.青岸渡寺 18.頂法寺
2.金剛宝寺護国院 19.行願寺
3.粉河寺 20.善峰寺
4.施福寺 21.穴太寺
5.葛井寺 22.総持寺
6.南法華寺 23.勝尾寺
7.岡寺龍蓋寺 24.中山寺
8.長谷寺 25.清水寺
9.南円堂 26.一乗寺
10.三室戸寺 27.円教寺
11.上醍醐寺 28.成相寺
12.正法寺 29.松尾寺
13.石山寺 30.宝厳寺
14.三井寺 31.長命寺
15.観音寺 32.観音正寺
16.清水寺 33.華厳寺
17.六波羅蜜寺

大津市内には、以下の3カ寺があります。

第十二番 正法寺(岩間寺)

第十三番 石山寺

第十四番 三井寺(観音堂)



歴史事典:正法寺石山寺三井寺